大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

《2017年10月号》靭だより 「見ぃつけた!」他


 少しずつ秋の気配が近づいてきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか? 朝夕は肌寒さを感じるこの頃ですが、たくさんの行事ごとのある秋!体調に気をつけ今日も元気にがんばっていきましょう!

 

subaco study

「見ぃつけた!」

 小学校の国語の宿題といえば、そう、『音読』です。みなさんも、小学校の頃必ずありましたよね。特に低学年の頃は、毎日暗唱できるくらい繰り返し繰り返しやっていたのではないでしょうか。しかし、この『音読』、実は苦手という児童もいます。

Hさんもその一人。Hさんは、小学4年生の女の子。いつも習い事のサーカスのお話をたくさんしてくれます。そんなHさんの目標は「スラスラ音読ができるようになること」。

 Hさんが初めてsubacoで文章を読んだときのこと・・・

「中…山…のちか…くの…山の…なか…に…」うーん、とても読むのが難しそうです。

では、なぜこのような読み方になってしまうのでしょうか。

 「音読」というのは、文字を目で追い、文字と音(音韻)を対応させ発声することです。その過程で、語彙(知っている単語)に照らし合わせ単語や文章にしていきます。今までの取り組みで音を捉えられるようになっていたHさん。

 他にどこに難しさがあるのか検査をしてみました。行なったのは「かぶとむし」などの知っている単語がいくつか書いてある文字を読んでもらい、まとまりとして読むことが出来るのか確認する検査です。すると、「か…ぶと…む.し」とまとまりで捉えることに難しさがあることがわかりました。

そこで、トレーナーが行なったレッスンは・・・

マスの中にランダムに並んだひらがなの中から、単語を見つけていくこと。      

 

 

 

こちらを見て、皆さんもチャレンジしてみてください。

 

このレッスンを行なうことで今では、Hさんも単語をまとまりとして捉えられるようになってきました。

Hさん、次は文章もスラスラ読めるように頑張っていこうね。 (上田)

 

subaco kids

「ちょきちょきつくるよ、僕だけの電車」

 幼稚園に通うK君はいつも元気いっぱい!

身体を大きく動かすことが大好きな4歳の男の子です。

subacoでも、ブランコに乗りながら「出発進行!」と、電車ごっこを楽しんでいます。

また製作活動では、ハサミを使って大好きな電車を作っていました。

すると…「ザクッ!ザクッザク!」と、とても力強くハサミを走らせていました。

指を切らないようにまっすぐ、そーっと、そーっと、ちょきちょきできるかな?「ザクッ!ザクッザク!」

線の上をまっすぐ、安全に切ることが苦手のようです。そんな様子から筋肉や関節の曲げ伸ばしに感じる感覚(固有感覚)に、力が入っているのか感じにくいのではないかと考えました。

 

そこで「おっとっと」という検査を行いました。

この検査は、右の写真のような筒の中に、ピンポン玉を入れて使います。次にピンポン球を両端にある赤と青のエリアに交互に移動させます。

検査の結果、ピンポン玉を移動させる際に、筒をぎゅっと握りしめ、落としてしまうほど勢いよく傾けており、やはり〈固有感覚の情報を整理する〉事が苦手だという事がわかりました。

 

そこで、タコの顔の台紙に洗濯バサミを足に見立てはさむ

〈タコの足を作ろう〉というレッスンを行いました!

このレッスンでは、洗濯バサミを開くために手や指に力を入れる事で「どのくらい力を入れているか、また関節がどのくらい動いているか」という手や指の固有感覚を意識できるように工夫しました。

さて、もう一度ハサミを使って工作を行ってみました!

すると、まっすぐ線の上、ちょきちょきと安全にきって、K君の大好きな電車を作ってくれました!

今ではお家でも自信を持ってハサミを使っています。

K君、次は何を作ろうか?(田中)

 

 

靱だより 10月号(PDF版)

 

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