大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

《2017年7月号》靭だより 「あっ、わかった!」他


 梅雨が明け、いよいよ本格的な夏がやってきました!靭公園では、毎日蝉達による大合唱が行われております。夏休みに入り、楽しいイベントが目白押し。subaco靭でも、夏ならではのアプローチを用意してお待ちしております。暑さに負けずに、一緒に夏を楽しんでいきましょう!

 

study

「あっ、わかった!」

 Rくんは戦隊ごっこが大好き、元気いっぱいの小学1年生。いつも大好きなジュウオウイーグルに変身してくれます。

そんなRくんの目標は・・・「ひらがな50音が読めるようになること」

1年生になり、読めるひらがなも増えてきたのですが、

『は』と『ほ』、『わ』と『ね』、『ぬ』と『め』、『る』と『ろ』など

形の似たひらがなになると…『いぬ』と書かれたカードを見て「いね!あれ??い・・・??」あれれ、どうして間違えてしまうのでしょうか。

 私たちは物を見る際、視覚情報処理機能という機能がはたらきます。

これは、入ってきた情報を脳の中で認識、分析し、今見えているものがどういう形をしているのか正しく理解する機能のことをいいます。この機能に難しさがあると、図形や文字の形などの理解にも影響が出てきます。

そこでR君の見え方について詳しくみるために行った「フロスティッグ視知覚検査」では、いくつかの図形から違う方向・位置の図形を探す図形識別の課題に困難さが見られました。『ね』と『ぬ』などの似たひらがなの区別が苦手だったRくん。実はこの機能に難しさがあったのです。では、どうすればこの問題を解決できるのでしょうか。

 そこで、トレーナーが行ったレッスンは、「ひらがな!違い発見!!」です。

『わ』と『ね』、『ぬ』と『め』、『る』と『ろ』など形の似たひらがなをそれぞれ透明シートに書き、2枚のシートを並べた時は「どっちもいっしょ〜」と言っていたのですが、2枚を重ねていくと・・・

「あっ、丸がちがーう!!」「ここの線が多い!!」など次々と違う部分を発見することができたRくん。細部の違いを捉えることができれば、今度は全体を捉えられるように新たなレッスン開始です。大好きなジュウオウイーグルは『いーぐる』なのか『いーぐろ』なのか見つけられるかな。(上田)

subaco study靭公園からのお知らせ

kids

「カエルになってくるりん♪」

 皆さんは、でんぐり返しをして遊んだ事はありますか?僕は弟と一緒に布団の上でころころと転がって遊んだ記憶があります。始めは少し怖かったでんぐり返しでしたが、スムーズにコロン!と転がれたとき嬉しくなって両親に見せてまわった事を思い出します。

 保育園に通うM君は少し恥ずかしがり屋な5歳の男の子です。好奇心旺盛で園庭で見つけた昆虫を「先生みてみて〜!」と嬉しそうに教えてくれます。そんなMくんはでんぐり返しが苦手でマットの上でどのようにすれば上手に転がれるのかわかっていなさそうです。

そもそも、「でんぐり返し」にどのような発達的意味があり、どのくらいの年齢でできるようになるのでしょうか?

でんぐり返しは平均的に3歳半くらいで出来るようになり、でんぐり返しで身体を丸めたり、手を地面につく練習をすることで、転倒時にとっさに手を着いたり受身の態勢をとって頭をかばうことができるようになります。また、「でんぐり返し」は幼稚園や保育園の発表会で披露されることも多々あります。つまり、危険から身を守ることや幼稚園や保育園、学校での活動への参加においても「でんぐり返し」はとても重要な意味をもっているのです。

 Mくんのでんぐり返しを見てみると地面に両手をついて身体を支えるというよりも頭のてっぺんを地面に付けた状態で腕はだらんとしていたり手は地面から離れていたりと不安定な状態でした。

 そこで目的の活動に対して上手く身体を使う事が出来るのか、順序立ての検査として「こえてくぐってエクササイズ」という検査を行いました。

膝の高さくらいに設定した紐を「またいで越え、次に紐の下をくぐる」という一連の動作を繰り返す検査になっています。検査の結果、Mくんはヒモをくぐる際に地面を這うようにしてくぐっており、「効率よく運動をする」事が苦手だという事がわかりました。

 そこで、両上肢の固有感覚を高めて安全に、真っ直ぐに転がれるようになるためレッスンとして「カエル跳び」を行いました。両手を地面に着ける、続けて両足を両手に近づけるようにしてカエルみたいにピョンピョン進んでいくレッスンで上肢への感覚入力を行い、「手で身体を支える」という運動に慣れてもらいました。

そのほかにも様々なレッスンを行ったその結果Mくんは前転で両手を使って身体を支える事が出来るようになり、頭で身体を支えようとしていた時と比較すると首への負担も軽減されていました。「コロンッ!」と転がる感覚が楽しくなってきたMくんはマットで活動する時間が前より長くなりました。これで保育園での活動にも自信を持って参加できるかな?さぁMくん、この夏もたくさんの冒険が待っているよ!(中井)

subaco kids靭公園からのお知らせ

 

靱だより7月号(PDF版)

 

これまでの靭だよりはこちら