《2018年10月号》靱だより「元気にかっこよく、ご挨拶始めよう!」他
木々が赤や黄・オレンジへと姿を変え、肌寒い季節になりました。
風邪などには気を付けて、これから一段と寒くなりますが負けず元気に過ごしましょう♪
subaco switch
「元気にかっこよく、ご挨拶始めよう!」
Tくんはsubaco switchに来ると、いつも元気よく挨拶をしてくれる元気な男の子です。
そんなTくん、始めはカッコよく【気を付け】の姿勢ができるのですが、すぐにフラフラしたり、周りをキョロキョロ見てしまい、最後までカッコいい姿勢を維持することが難しいようでした。
カッコよく挨拶をするためには、挨拶をすることだけに意識を向けることや「こんにちは」と言いながら自分自身の姿勢にも意識を向けるなど、2つのことに同時に意識を向けることが必要になります。
これらの機能を注意機能といいますが、検査を実施してみるとTくんは、能動的に注意をコントロールすることに課題があることが分かってきました。そのため、気になるものがあると、そこに注意が向いてしまい、今必要なことに意識を向けることが難しいのではないかと考えました。
そこで、Tくんには、様々な場面で「集中する」ことを経験し「集中する」という言葉に対しての認知を高めていきました。
今回は、大好きな電車の教具がTくんの周りを走っている中で、白ごまと黒ごまの色分けを行ってもらいました。
始めは電車が気になってキョロキョロしていたTくんですが、「集中!」という声かけで少しずつキョロキョロせずに、ゴマの色分けのみに意識を向けることができるようになってきました。
最近の挨拶では、「挨拶に集中!」と言うと、周りの刺激に反応せずにかっこいい挨拶ができるようになってきました。
T君、次は声かけなしでかっこいい挨拶しようね!(尾野咲音)
subaco kids
「みてみてきれいなビー玉」」
Kさんは明るく元気な女の子です。
subaco kids 靱公園に来ると、よく自作のダンスを披露してくれます。
そんなKさんが現在、取り組んでいる目標が「スプーンでゼリーをこぼさずに食べられるようになる」ことです。
Kさんのスプーン動作を観察してみると、Kさんは手の甲を上にしてスプーンを握って食べていました。
「こうだよ」と手本を見せると修正して持つことができるのですが、食べ進めるうちに始めの持ち方に戻ってしまうKさんでした。
膝打ち試験という、自分の膝を手の平と手の甲で交互に叩く検査をおこないました。その結果手の平を返して、手の甲で膝を叩くことが難しい様子がありました。
そこで今回は、ミニガチャガチャの教具を使ってレッスンを行いました。
ミニガチャガチャの中にビー玉を入れて、レバーをつまんで回すと様々な色のキラキラしたビー玉が出てくるのです。
Kさんはビー玉が一つ出るたびに、光にかざしてキラキラ光るビー玉を眺め楽しそうに取り組んでくれていました。
このレッスンを繰り返すうちに、手首の運動パターンも増え、スプーン動作も段々とスムーズになって来ました。「手首ってこんな風にも動くんだ!」と、またひとつ、自分の身体を知ったKさんです。
よーし!次は、キラキラゼリーだってカッコ良く食べちゃうぞ!!(*^▽^*)(古川靖子)
subaco study
「隠れた暗号、 見つけたよ!!」
最近よく「文章問題が苦手…」という声を耳にします。子どもの頃に「何回も読みなさい」と言われた。という方もいるのではないでしょうか?
Mさんもその一人で、国語や算数の文章問題が苦手なようです。
そこでまずMさんに、読解の基本である「音読」の様子を確認してみました。
すると「どう…した…ん…だい。がま…がえ…るく…ん。き…みか…なしそ…」と、なんだか読むのがとても難しそうです。
なぜこのような読み方になってしまうのでしょうか。音読がスラスラできるようになるには「1文字1音を正しく捉えること」「捉えた文字を繋げて単語に変換すること」などが必要と言われています。
そこで Mさんの課題を見つけるため検査を行いました。するとMさんは、1文字1音は正しく捉えることはできていますが、「捉えた文字を繋げて単語に変換すること」に難しさがあるとわかりました。
そこで行ったレッスンが「謎解き暗号!隠れた言葉を探そう!!」です。
下の写真ように、3×3マスの中にランダムに並んだ文字の中から、隠された単語を探します。1文字ずつ確認しながら、頭の中で単語に変えていきます。
3×3マスから始まったこのレッスン。Mさんは今では、5×5マスまで見つけることができるようになってきました。
この取り組みを行う中で、音読も少しずつ上達してきているMさん。
音読がすらすらできるようになったら次は読解問題に挑戦だ!!(上田千晶)
すばこだより 10月発行号(PDF版)
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