【2017年2月号】すばこだより「話さないでも伝わるね!」他
暦の上では春を迎えましたが、まだまだ厳しい寒さが続く今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?早いもので、今年度も残りわずかとなりました。ワクワク、ドキドキ、そわそわ?な桜の季節がもうすぐやってきますね!まだまだインフルエンザやノロウイルスが流行っているようですので、うがい手洗いはしっかり行ない、体調管理には十分に気をつけて元気に過ごしましょう♪
switch
「話さないでも伝わるね!」
スイッチに通うYくんは、電車や新幹線が大好き!スイッチに来て挨拶を済ませると、すぐにトレーナーにお気に入りの電車について教えてくれます。
そんなYくんは、この春に小学校へ入学するのですが、お母様は一つ心配事があるようです。それは、授業中先生がお話をしている間、お喋りしないでいられるかということです。
トレーナーはまず、トレーナーとお母様が話をしている間「お喋りしないで待っててね」と言われたYくんの様子を観察してみました。「はい!」と元気に返事をするYくんでしたが、椅子に座ってしばらくすると小声でお母さんに「ねーねー、みてみて」とお話を始めました。トレーナーが
「あれ?」と言ってもYくんは喋っていることに気がついていないようです。Yくんがお喋りしないでお母さんを待つことが出来るには、“お母さんを待つ”ことと“今僕は喋っていない”という2つのことに同時に意識を向けることが必要です。この“意識”を認知心理学では“注意”と表すのですが、
「2つ以上のことに同時に注意を向ける=注意を配分すること」を配分性注意と呼びます。Yくんは、“お母さんを待つ”ことと“喋らない”ことに対して注意を同時に配分することが難しいようです。そこで、トレーナーはYくんが“喋らないこと”ともう1つ別の事に注意を配分するレッスンを行いました。「先生が今から何を喋ってもYくんは返事をしてはいけません」「はーい」「あれれ?Yくん、喋った!こういう時は(ウンウン)ってするんだよ。では、始めます。」「(うんうん!!)」Yくんは、口をぎゅっと閉じて大きく頷きました。お喋りをしないようにするコツ・“口をぎゅっと閉じる”を掴んだようです(^^)b
Yくんは、「静かに待っててね」と言われたら、口をぎゅっと結んで過ごせるようになりました。「(僕は喋らない!)」そんな声が聞こえてきそうです(^-^)(有馬)
training
「スバコガーデンに新しい仲間が♪」
寒い日が続いていますがトレーニングのメンバーは毎日元気に通所しています。
2016年の夏頃より、スバコガーデンを始めました。アイビーという観葉植物を育てています。そのスバコガーデンに新しい仲間が加わりました。スパニッシュモスというエアプランツです。リニューアルでスパニッシュモスが加わり、トレーニングのメンバーも「いいね、なんて植物なの?」「大きくて、かわいい♪」と喜んでいます。新たに加わったスパニッシュモスの花言葉は「不屈」です。土のない環境でも、空気中の水分を吸収
し美しい花をつけることから「不屈」という花言葉がつけられました。様々な環境の中で、目標に向かって自分と見つめ合いながら、根性で挑み
続けるメンバーたちにぴったりな花言葉ですね!
さあ毎週水曜日は「スバコガーデンの日」です。
握力が小さいNさんは霧吹きで水やり、Tさんは上段の植物に水をあげ肩関節の可動域拡大。Wさんは落ち葉を集めお掃除をして日常生活動作向上のトレーニングです。このようにメンバー個々に合ったトレーニングを行い、日常にある事を意図して取り組む事で自立と社会参加を目指しています。
今日も、スバコを利用に来られた児童や保護者様がスバコガーデンを眺めています。スバコガーデンが賑やかになるように、メンバー達も笑顔という花を咲かせています。(梶原)
kids
「ジャンプして!えいっ!!」
今回は子どもたちに人気のある集団プログラムを紹介したいと思います。この集団プログラムを行うには特殊なゴムとワイヤーを使い、引っ張る力と自分の力を合わせてジャンプをします。この時に使われる感覚が、身体の傾きや重力・加速度を感じる前庭感覚、筋肉を使う時や関節の曲げ伸ばしによって感じる固有受容感覚、物に接触したときに感じる触覚といった、主に3つの感覚を取り入れ、身体を大きく動かして遊ぶ活動です。このプログラムこそ、現在人気ナンバーワンの「ぴょんぴょんゲーム」です。このように身体を大きく動かして遊ぶ活動を粗大運動と呼びます。まだ力強く地面を蹴ることが難しい児童には、足にトレーナーの手を添え、膝を曲げる動作のお手伝いを行う事で蹴る力を促します。両足でのジャンプが出来るようになると遊び方も広がります。写真(左図)はジャンプをしながら、ボールを投げ、 的に当てるという活動に取り組んでいます。この動作にはバランスをとりながら、しっかりと的を見ないといけないので、先ほどの3つの感覚に視覚も加わり、空中での動的バランスと、目と手の協応運動も必要になってきます。投げるだけでもおもしろいのですが、的にあてると20点と点数を付けることで楽しさも興味も増します。(左図)Aくんはこの時、なかなか的に当てることが難しかったのですが何度も諦めず、投げる力を調節することで、10回当てることに成功しました!Kidsではこのような粗大運動を取り入れた遊びを多く取り入れています。ボールが的に当たった時やジャンプが出来たときにみんなで拍手をして喜ぶことができるのも「ぴょんぴょんゲーム」の魅力です。さあ、今日も200点目指して、がんばるぞー!(横尾)
study
「出来た!書けるようになったよ!!」
毎日、寒い日が続きますが、studyでは寒さも忘れるような嬉しいことがありました!Nさんが「え」を書けるようになるという目標を達成することができたのです!!今回は、Nさんの目標達成までの道のりをご紹介したいと思います♪
元気いっぱい、笑顔が素敵なNさんは、小学校入学に向けてひらがなのお勉強中。最近自分の名前が書けるようになったので、「次はひらがな全部(50音)書けるようになるぞ!」と頑張っています。特訓も順調にいっているかに思えたのですが、どうしても上手く書けず、Nさんの顔を曇らせてしまう文字があります。その一つが「え」でした。
様子を見てみると、2画目の横線を書いたあと、「あれ?どうやって書くんやっけ」と手が止まってしまったNさん。なんとか完成した「え」は、逆さま(鏡文字)になっていました。お手本を見ながら何度も練習しているのに…一体なぜ「鏡文字」になってしまうのでしょうか?
トレーナーは、線と線の空間的な位置関係や傾きを把握する能力である“空間認知能力”に着目しました。この能力では、どこにどのような傾きで線が配置されているのかを捉えることができます。Nさんの見え方について詳しくみるために行った「フロスティッグ視知覚検査」の中では、いくつかの図形から違う方向・位置の図形を探す図形識別の課題に困難さが見られました。やはりNさんは空間や傾きをとらえることが苦手なようです。
Nさんの苦手が分かったところで、レッスンです♪
「よ〜くみて!ちゃんとかけるかな??」
□の枠に、左右それぞれ違う色を塗ることで左右の認識を高めます。色や中央の罫線を頼りに、文字の始点がどこなのか、どういう向きに線がのびているのかなどを分析しながら書く練習を行います。

左は赤、右は青に塗ってるよ。
お手本どおりに書けるかな?

やってみる!!
始めは… 赤色から青色に書くんでしょ! あっ!赤信号から青信号に変わったみたい!!
ついにNさんは「え」を上手に書く事が出来るようになりました! Nさん、目標達成おめでとう♪次はどの字にしようかな?(飯田)
お知らせ
来月のsubaco holiday も、第2・第4土曜日で開所致します♪ 尚、来年度は4月8日から毎週開所予定となっています。現在 holidayをご利用いただいている方も、新たに契約のお手続きが必要となりますので、ご利用希望の方は、subacoスタッフまでお声がけください。
【2017年2月号】すばこだより「話さないでも伝わるね!」他 (PDF版)
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