大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

【2017年10月号】すばこだより 「やる気・switch・オン!」他


 

 秋もすっかり深まり、少しずつ過ごしやすくなってきましたね。「今日はちょっと肌寒いな」って、シャツを一枚羽織る時。いつもの帰り道から金木犀の香りがした時。素敵な秋を見つけることができたらいいですね。

 

subaco switch

「やる気・switch・オン!」

 下の写真は、subacoにある教具の一つWiiというゲームのソフトです。subaco switchに来てくれる児童の中には、マリオゲームが好きな児童がたくさんいます(^^) とても魅力的なゲームですが、実は好きな時にいつでも出来るというわけではないのです!

 subaco switchでは、脳の報酬系と呼ばれる神経回路に働きかけ目標の行動が出来るようアプローチ行っています。具体的には「〇〇が出来たら1ポイントね。50ポイント貯めたらご褒美にマリオしようね!」「◯◯できたぁ!また次もやるぞ!」といったやりとりです。

 児童によっては、電車のシールが貰えることやポイントが増えていくこと、“よく出来ました”スタンプを押して貰えることなど… 児童1人1人様々なご褒美があります。

 

 しかしそれ以上に、subaco switchには、子どもたちの「 やってみよう!! 」とレッスンに取り組むエネルギーが満ち溢れています。

「イヤだからやらない」

「めんどくさいからやらない」

「しんどいからイヤ」

から

 

「タイマーが鳴るまでは頑張るぞ!」

「よしっ!今から始めるぞ!」

「もっと頑張るぞ!!」

へとスイッチが変わる場所…。

 

今月もたくさんの「出来た!」が生まれました(^^)/  10月も「やる気・switch・オン」で一緒に頑張ろうね!(有馬)

subaco study

「ぼくのおなまえだよ!」

 K君はsubaco studyに通う6歳の男の子。
レゴブロックやお絵かきが大好きで、いつも色々なモノを作ったり描いたりして、トレーナーに嬉しそうに見せてくれます。

 ですが「文字」を書くとなると中々上手くいかないようです。文字が逆さまになっていたり、線が足りなかったり…。難しさが見られます。

 今回はK君と「自分の名前を正確に書けるようになる!」という目標を掲げて、取り組みを行いました。
 その中で、今回トレーナーが特に注目したのはK君の「見る力」です。実は一言に見る力と言っても、様々な要素を含んでおり、大きくは2つに分けることができます。

1つ目は、書かれているものが何であるか?その大まかな形を認識する「形態認知」と呼ばれる機能。

2つ目は、線と線の位置関係を捉える「空間認知」と呼ばれる機能です。

 検査を行った結果K君の場合は、線の傾きや角度を捉えたり、線同士の関係性を捉えることに難しさがありました。今回はK君と、特に<空間認知機能>を高められるよう様々なレッスンに取り組みました。

 『見本の絵をどちらが正確に書き写すことができるのか?』を競う「真似っこゲーム」というレッスンでは、どういう長さ?どういう配置?どういう関係?などを細かく意識できるようにアプローチしました。負けず嫌いなK君は一生懸命にじっくりと見本の絵を見て、長さや配置を書き写していました。

他にも様々なレッスンを積んだ結果、自信を持って自分の名前を書くことができるようになったK君!

 その頑張りを、先月のsubaco scoop!では発表させて頂きました。お母様や先生達が見守る中、発表の最後にはK君がみんなの前で「自分の名前をひらがなで書く」という姿を披露してくれました。

 お父さんやお母さんから貰った大切な自分の名前…。

みんなに誇らしげに書いてみせるK君の姿が、とっても素敵でとても眩しかったです。(花崎)

 

subaco kids

「やぶさめ!!」

 皆さんは馬に乗りながら、弓矢で的を射る”流鏑馬(やぶさめ)”をご存知でしょうか?今回は、subaco kidsで取り組んでいる活動の中から”流鏑馬”に見立てた活動をご紹介したいと思います。

 流鏑馬といえば、走る馬に乗りながら狙った的を弓で射る活動です。上手く的を射るには、揺れる馬の上で姿勢を崩さずに狙いを定めることが必要になります。その特性を生かしバランス機能を高める目的として活動を行いました。

 RODYやバランスボールまたはブランコなどを、走る馬に見立てて揺らします。揺れを加えた時に倒れないように自分の身体を正中位に保つ「姿勢反応」という働きに必要な重心移動の経験を得る事が出来るのです。

 また、両手で別々の動作をする弓矢の特性から「両側運動協調機能」も高めていくこともできますよ。ご家庭で行う際には、公園のブランコやシーソーを馬に例えながら行うことで代用も出来ますよ。また、的の高さを変えてみたり、的を動かして見たりと、1人1人に合わせて難易度の調整もできますよ (^ o ^)/ (松野)

 

subaco bond

「夏の思い出」

「さよなら!」「また明日!」「またね!」帰り際の挨拶って色々ありますよね。どの挨拶を選択するかは、その人の自由です。でも、帰り際になると黙って帰ってしまう…。恥ずかしいから…。相手の目を見る事が怖いから…。そもそも挨拶に意味なんて…。

 subaco bondに通う子ども達の中には、表現が苦手な子がいます。A君もその中の一人で、相手に伝えたくても伝えられないもどかしさがあります。どうしたら相手に気持ちを伝えられるのでしょうか…?           

 A君は虫を触ることにも抵抗を持っているのですが、実はこの夏、素敵な体験をしました‼︎

B君と公園探索中にセミを捕まえることに成功したのです!しかし、ここからが大変でした…。2人ともセミを触れないのです。どうしたら、セミを虫かごに入れる事が出来るか?2人で考えました。

 1人だと『セミを虫かごに入れることなんて意味がない』と考えたかも知れません。しかし2人は、5分間も同じ時間を共有し、協力しながら見事にセミを虫かごに入れることが出来ました。お互いの心を開いていくこと。そしてお互いの心に触れ合っていくこと。

 これが、愛着の始まりなのだと思います。この日を境に、subaco bondに来る意味を見つけたのでしょう。今では振り返って「さよなら!」と言ってくれます。私も含め3人だけの素晴らしいし夏の思い出ができました。A君、B君ありがとう。(横尾)

subaco training

「地域大会を目指して」

 最近、涼しくなりスポーツをするには最適な季節になってきましたね。subaco trainingでは毎週水曜日にボッチャというスポーツをしています。ボッチャはパラリンピックの正式種目にもなっており、前回の大会で日本代表が銀メダルを獲得したことで、ボッチャという競技を知った人もいるのではないでしょうか?

 subaco trainingではボッチャを通して、機能トレーニングをしています。

右手を使う事が難しいKさんは、生活動作においてほとんど右手を使おうとされません。しかし、ボッチャが好きなKさんの右側にボールを置くと自発的に右手で把持し、左手に持ち替えて投げることで楽しみながら右手のトレーニングをしています。

 上達すればするほど楽しくなってきたようで、「みんなで地域の大会に出たいな」といった話もメンバーから出ています。地域の大会に出場することを目標にこれからも楽しく練習をしていきましょう!そして、共にボッチャをしてみたいといったメンバーも募集しています。興味がありましたら見に来て下さいね!(青木)

 

すばこだより 10月号(PDF版)

 

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