大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

【2018年5月号】すばこだより「歩いて帰ろう」他


 

 気温も暖かくなり過ごしやすい日が続いていますが、新しい生活の疲れが出たりしていませんか? 時には一呼吸、リフレッシュをしながら楽しい生活を送りましょう☆

subaco switch

「歩いて帰ろう」

 T くんは、いつも送迎車を使って subaco switch を利用してくれているのですが、最近は“お友達やお 家の人と一緒に歩いて通いたい”と話すことが増えてきました。お母様は「手を繋がなくても走り出さず横 に並んで歩けるようになったらね」そんな風に話しているそうです。

 そんな T くん、送迎車は一番に乗り 降りしたくてトレーナーの手を振りほどいて走り出そうとします。早く行きたい気持ちを抑えることが難しく、引っ張り合いになってしまいます。このままでは T くんの願いが叶う日はやって来ないかもしれません…T くんは、閃きをすぐ行動に移すことは得意なものの、“行動を抑制する”ことに苦手さがあります。

 そんな T くんと「送迎車に歩いて乗り降りする」ことが出来るよう取り組みを開始しました。今回は行動抑制機能へのアプローチをカルタ遊びの中で行ないました。大事な約束は「読み終わるまでは見つけても取らないこと!」見つけたらすぐに取りたくなる気持ち、抑 えられるかな?!

 読み上げている途中でも「見つけたっ!!」とカルタを取ってしまう T くんに、 「成功したら T くんの好きなポケットモンスターシールが貰える」ことを提示しレ ッスンを積み重ねました。

 カルタ遊びを楽しみながらも失敗したらやり直し、「すご い!待つのが上手になったね!!」そんな成功体験を繰り返すうちに、衝動を抑え最 後まで手は膝に置いて待てるようになりました。送迎車の乗り降りでもご褒美のシー ルを楽しみに、走り出したい衝動を抑えて歩く取り組みを積み重ね、今ではみんなの 歩みに歩調を合わせ「早くお友達と歩いて帰れるようになりたいな」そんな願いを教 えてくれる T くんです。

 歩いて帰れる日はもうすぐそこだよ(^^)♪ (有馬千恵)

subaco study

「オリジナルカルタを作ろう」

 subaco studyに通うA くんはちょっぴりシャイな5 歳の男の子。studyにくると、大好きな恐竜や虫のお話を一生懸命伝えてくれようとするのですが…「えっとな、えっと…」なかなか言葉に出来ず、 途中で「やっぱりわからん…」と俯いてしまうこともしばしば。イメージは頭の中に浮かんでいるのですが、そのイメージをことば(音)に変換することが難しいようなのです。

 聞いたことばをイメージに変換することは上手な Aくん。浮かんでいる単語をどのように組み合わせて文章にすればよいのか、文を作るために必要な規則(文法)を学んでい くことが必要だとトレーナーは考えました。

 今回Aくんと取り組んだのが「studyオリジナル!カルタづくり」です!様々な写真を見て、その写真や絵と対応する言葉カードを作っていきます。始めはイラストを音や単語で表現していた Aくんでしたが、下図のような似たイラストが出てくると「うーん…」頭を悩ませました。

この 2 枚をそれぞれ違うものとして表現しようとすると、単語では表現できなくなり、より詳しく伝えるために「文」を作ることが必要になるのですね。◎◎が××した、◎◎が△△を××したなど、文のモデルに当てはめていきながら…ついにカルタが完成しました!

 うまく表現出来るようになって、お友達とお話を共有できると今よりもっと楽しくなるね。最近では、自分から幼稚園でのお話をしてくれるようになってきた A くんです♩今度は先生の知らない恐竜の世界をたくさん教えてね!(原敬美)

subaco kids

「かっこよくたべるぞ!」

 H君は身体を動かして遊ぶことが大好きな4歳の男の子です。そんなH君は幼稚園で大好きな給食を食べるときにスプーンやフォークをうまく使うことが難しいようです。最近周りのお友達が、大人のように3指(母指・示指・中指)でスプーンを持っている姿をみて「僕も食事を食べるときのスプーンをかっこよく持ちたい!」という思いが芽生えてきたのです。

 そこでH君のスプーン動作を観察して見てみると、手掌を下にしてスプーンを握るようにして持ち、肘関節から腕を大きく動かしながら操作していました。Hくんが、かっこいいスプーンの持ち方が出来るにはどうすれば良いのでしょうか?

 スプーンの持ち方にも発達段階があります。まず、最初の段階では手掌を下にしてスプーンを握るように持ち、次の段階で手掌を上に向けてスプーンを握って持つようになります。最後に手掌を上に向け、橈側三指(拇指・示指・中指)でスプーンを持つようになります。

 H君のスプーンの持ち方は、まだ最初の段階の持ち方でした。次の段階の持ち方を獲得するためには、手掌を天井側や床側に向けるように動かす前腕の回内・回外運動が必要になります。H君にこの運動を行なってもらうと、手掌を上に向ける際に肩に力が入り、動かしにくそうな様子がありました。

 そこで取り組みとして「神経衰弱」を行いました。カードをめくったり伏せたりする動作が前腕の回内・回外運動になります。本人が好きな動物やキャラクターが描かれているカードを使ことで、より楽しみながら活動を行う事ができますよ。今では手掌を上に向けスプーンを持てるようになってきたH君。

 大好きな給食をかっこよく食べられるようになるまでもう少しだね!(梅田瑞季)

subaco bond

「すっげ〜!!」

 Rくんは5歳の男の子です。メダカが大好きなRくんはsubaco bondでもメダカを眺めて楽しんでいます。自発的に人に対して欲求を伝えることを目標に取り組んでいるRくんはコミュニケーションをとる際、言葉でのやりとりであったり、気持ちをトレーナーに伝えることに課題が見られています。

 視覚や聴覚で感じた刺激に対して行動を起こしてしまう為、お母様からは外出をするときも手を放して走っていってしまうとお聞きしていました。日々の活動の中からも注意を共有する共同注意にねらいをもつことがわかってきました。

 今回は、お友達と同じものを見たり、手をつないで歩くということを目的にし、動物園へ出掛けました。鳥のコーナーでは、丁度ごはんをあげている時間だったのですが、ごはんが終わるとRくんとHさんの目の前を大きな鳥がいっせいに飛び立ち、その感動からRくんも一緒に見ていたHさんも思わず「すっげ~」と言葉の表出が見られました。

 感情や注意を共有できた瞬間ですね。大好きな動物をたくさん見たいという欲求も見られ、Hさんと手を繫ぐことも出来ました。楽しいやうれしいという体験からこれからもたくさんのことを学んでいこうね。(横尾孝治)

subaco training

「笑顔が咲く花」


 subaco trainingでは植物の栽培を行っています。subaco ガーデンという愛称で親しまれているスペースではアボカドの木やオリーブ等、様々な種類の草木に水を与えて育成しています。

 ガーデンの管理はそれぞれ利用日が異なるため複数人で行っていますが、Nさんは水やりを特に楽しみにされているメンバーです。暑い日が続いたり、週明けで水分が足りていない時には「枯らさんようにお水をあげないとあきませんね」と言いながら水を汲みに行きます。

 体幹や下肢の不安定さから歩行時の転倒リスクがあるため、生活の中で自分から進んで歩く機会が少なくなっていたNさんですが、ガーデンのお世話となるとやる気スイッチが入るようです。小さなジョウロを手に、水場とガーデンを何度も往復する事で運動量が増え歩行のリハビリにも繋がっているのです。

 そんなNさんに先日嬉しい出来事がありました。subaco trainingの近隣で食堂を営まれていた店主の方より譲り受けたエバーゴールドという草花がこの春、小さな花を咲かせました。丈夫な品種で育成し易いと広く分布している品種です。

 気持ちを込めて世話をして儚く咲いた花にNさんは笑顔一杯に喜びを表現をされていました。すくすく育つのか不安な日もあるかもしれませんが、私達の努力や忍耐が実を結びいつか花を咲かせた時、私達に笑顔と感動を与えてくれるものなんだと感じられた瞬間でした。

 Nさん、今度はどんな花を咲かせましょうか?(中井光)

 

 

すばこだより  5月発行号(PDF版)

 

 

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