ウィンドウ
小学6年生のI君は、漢字の書き取りが苦手です。
ドリルに書かれている手本を見ながら、熟語や例文をノートに繰り返し練習するのですが、
線を1本多く書いてしまったり、「模様」を「様様」と書いてしまうなど、
ミスが頻繁に生じてしまいます。
私たちは身の回りの情報や思考に対して、必要なものだけに注意を向けて、
不必要なものに対する反応を抑制することができます。
認知心理学では、これを『選択制注意』と呼んでいます。
I君に検査を行ったところ、この選択制注意に苦手さがあることがわかりました。
今書いている漢字はどれだっけ?
この漢字、なんか面白い形をしているな。 次に書く漢字はどんな漢字だろう?
後ろから書いていった方が早く終わりそうだな。 さっき書いた漢字は間違えていないかな?
宿題が終わったら何するんだっけ?
ちょうど頭の中でパソコンのウィンドウが、全て同時に開いているようなイメージでしょうか。
どこに注意を向けるべきか。今自分の注意がどこに向いているのか。
よくわからなくなってしまうのかもしれません。
写真の「かくれる君」は、不必要な情報を遮断するためのスペシャルアイテム。
これを使って、I君は間違えずに漢字を書くことができるようになりました。
さらに、自分で紙や手を使って、間違えないように工夫するスキルまで身につけたのです。
経験から、自分自身に対する認識を高めることができたんですね。
「こうやったら、うまくできるんじゃないかな。」そういう風に考えることができたこと。
自分と向き合う経験ができたこと。トレーナーとして、とっても嬉しく思います。
だけど、ホントはね。
頭の中いっぱいに広がったウィンドウひとつひとつに、
大きな価値があるはずなんですよ。
彼らが自分と向き合うことで、
自信を持って発揮できるようになること。
それがswitchの役割です。subaco switch:重松 大介
switchの活動記録一欄はこちら