リテラシー
『今日の保育園はどうだった?』
『楽しかった』
『なにが楽しかったの?』
『遊んだ』
『どんな遊びをしたの?』
『おにごっこした!』
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定型発達の子どもの場合は
言葉を順に並べて文が話せるようになると
出来事を順に並べて語り始めます
一人の語り(ナラティブ)が成熟してくると
複数人との談話(ディスコース)が発展します
言葉の発達面における
年少さんと年長さんとの大きな違いは
この語りや談話にあります
2歳、3歳児さんは情報の意味を理解して
言葉に変えるというよりも
情報の形、外側を意識して
表現していることが中心です
その先の
4歳児や5歳児から発展する語りや談話は
情報の内面を意識して表現することを試みるため
伝えたい内容と表現が合致するまで話そうとして
話しが長くなっていくことが目立ちます
語ったり友達とお話しすることが苦手な場合
どうすれば良いのでしょうか?
話すことを練習すれば上手になるとは限らず
語りや談話の為に必要な力を見抜いて練習していくことも大切です

その力の一つにリテラシー(識字)があります
リテラシーは文字を読んで意味を理解し、理解していることを書いたりする力です
これは文字の範囲だけではなく
見たこと、経験したことを話し言葉に言い換えることも同様です
経験したことの中身にどんな情報があったのか
その情報を意味理解して自分なりの解釈を言語化する力がリテラシーです

このリテラシーが未熟だと
作文が短かったり、計算の文章題が苦手だったりします
自分の気持ちを語ったり、
相手と談話して意見交換する力が
読書感想文や計算問題と関係しているのか?
一見、不思議に思うこともありますが
情報を言語に変換することは非常に高度な
人の力であり
その力が弱い子がいたとしても不思議ではない
それくらい特殊な力を私たちは持っている
そう思いながら今日もこの子らと接しています
工作活動や計算問題、音読や板書など、、
出来事という情報を言葉の情報に変えて
言葉の情報を読んだり、書いたり、聞いたり、話したり多方向に受け表す練習を繰り返します

読み書き、話す聞くが苦手なのは
障がいでしょうか?
個性でしょうか?
人の幅というメッセージなのかもしれませんし
それを受け止めて支えあっていくことが
大切な文化であり
本当の教育だと思っています