世界一おいしい?
Aくんは、集団活動が少し苦手です。
この日もみんながピザ作りをしている中、
「やらへんもーん!」と寝転がっていました。
理由は、ピザを食べないので作っても意味がないということ。
それでも、いつもと違うのは、みんなと同じ部屋にいれたことです。
自閉スペクトラム症の中には、想像性に課題を抱える児童が多くいます。
見通しが持てなかったり、興味が限定的であったり、こだわりが強かったり…お友達とうまくいかないといった困難さが出てきます。
また、Aくんには過敏さもあり、ケチャップやチーズが手に付くことも嫌がっていました。
そこで今回は、絵カードを作成して工程を視覚からの情報で補えられるようにしました。
「何番は先生が手伝うよ(^^)/」
「先生も食べたいなー」「誰か作ってくれたら嬉しいな〜」
私の目を見たKくん、ピザを作ってくれました。
「世界一おいしい?」と少し不安そうな顔の Kくん。
「世界一おいしい!!」と応えると、くしゃと目尻がさがり満面の笑顔が見られました。
来所時は、雨も降っており「濡れるの嫌っ!」と怒りながら来たそうですが、
「帰りは『ちょっとやったら濡れても大丈夫』と過敏さも吹き飛ばしていました。」
と、お母様から聴くことができました。
その言葉が本当にうれしいです。
「美味しかったよ。ごちそうさま。Aくん」
subaco bond:横尾 孝治
Instagramにも載せているのでまたみて下さいね!