共感

もう少しの
「もう少し」をもう少し教えてほしい
ちょっと待っての
「ちょっと」をちょっと教えて欲しい
友達に好きなものを尋ねられたんだ
昆虫!って答えたんだ
そしたらね
その子、足があるのが好きなんだねって返してきたんだ
おもしろい子だろう?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
クラスの団結力を高めるために
必要となる個人の力
その力の一つに「共感」があるかと思います
認知心理学では共感を2つに分けます
つらい顔をしている人を見てその人がつらい気持ちであることを知る(認知的共感)
つらい顔をしている人を見て自分もつらい気持ちになる(感情的共感)
共感として
認知ではなく感情を共有できることが
家族や友人、同僚の絆を深めるために価値あることのように思われがちですが
実際はどうでしょうか?
感情的共感が強いがために
泣いている子をみて
自分も悲しい気持ちになることは
他者から見れば「優しさ」に映りますが
その反面
意図的に泣いたり、怒って訴えてくる相手に
同調しやすい傾向もあります
大切なことは「共感」を養おうとすることではなく
「感じ方の仕組み」の違いを近い仲の数だけ気づくことです
サイモン・バロンはこの感じ方の仕組みを「システム化」と説明します
システム化とは物事を分けることであり
物事をまとめることではありません
まとめることは統合であり
システム化は統合する前に行う情報の仕分けです

例えば木を見て
木と葉っぱを分化します
定型発達の人であれば
茶色と緑をシステム化するなどして
緑を木の葉っぱと統合しますが
このシステム化が緑の一枚一枚の形の違いや
葉っぱの色づき方の違いから
木の健康状態などへとシステム化する人もいます
自閉症スペクトラム症の傾向がある子どもたちは
この共感化ーシステム化に特徴的な場合があります

システム化することへの積極性が
定型発達の子どもと比べて高いことが多く
形の違いーシステム化によって成り立っている動物や乗り物
文字や数字の認知が生活年齢に比して早い特徴があります
このような子どもたちの特性を踏まえて
『もうちょっと待って』のもうちょっとを
どのように伝えましょうか?
3分、5分と具体的な数量を伝えることも良いでしょう
でも
少数派の特性をもつこの子たちが
大勢の社会に参加できるように
『お母さんの「もうちょっと」だよ』と伝えてみてはどうでしょうか?
支援者が育む子どもたちの「共感」に
根拠は必要であっても
お母さんと子どもとのそれには
それがなくても
それでよいのかもしれません
それさえあれば!
それってなによ?
あれやんか
あれ
父のみぞ知る
続く・・・・