大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

できた!私の枯山水

四季の国、日本。

首都といえば東京。

その首都が東京に置かれたのは江戸時代に幕が下りた明治からのことであり

東京の先輩都市といえば古都「京都」。

 

平安時代から江戸時代まで、京都を日本の首都とする長さは実に東京の約7倍に及びます。

 

自然環境と独自の文化を貴重にして融合させて開発してきた都市の価値が1994年に「古都京都の文化財」として世界遺産に認定され、
それから25年経つ現在でも国連の掲げるSDGs(持続可能な開発目標)を達成している都市として国内では東京をおさえ首位の座にあります。(日本経済新聞社調べ)

 

その都市の景観を一目見たい、文化に触れたいと世界中から多くの観光客が訪れます。

(現在では外国人観光客の数が国内観光客よりも上回るほど)

そんな京都ですが、訪れた人々の口から溢れる声は夏は暑いの、冬は寒いの、、、

 

祇園祭の山鉾巡業を観覧しようと望んで来たものの強烈な蒸し暑さに鴨川のほとりで涼む人々・・・

 

花灯路や紅葉狩りを楽しみに嵐山・東山を訪れたものの北風の冷たさに驚きお茶屋さんに入る人々・・・(自分もその一人でした。)

 

神社・仏閣・城巡りと歴史的景観を楽しめる京都ではありますが、

山上盆地として周囲を山々に囲まれた京都盆地の夏は風が吹きにくく、冬は寒気が充満しやすく、

観光地といってもリゾート地とはとても言い難い気候の厳しい場所なのでしょう。

 

そのような自然厳しい環境で発展してきた都市には有名な歴史的建造物が多数ありますが、その建築技術の発展とともに大切にされてきたのが造園です。

 

その日本庭園の代表的な造園様式の一つに「枯山水」があります。

歴史的書物には仮山水、故山水、乾泉水、涸山水とも呼ばれた記録があり、

「水を使わずに、山水の景色を表現する庭園様式」として古人から愛されてきたそうです。

 

「水を使わずに、」ということが規則のように思える枯山水ですが、

実際は「水が使えない、」という場所であった環境から思いついた造園のアイデアとも言えるのかもしれません。

京都平安時代には寺社勢力として南都北嶺という歴史的用語があるように、

手強い僧兵の力に朝廷側が対抗するために北面の武士を立ち上げたり、

僧侶が山に密集し、寺院が大規模化することを防ぐために、朝廷の見張れる都心部に分散するよう寺院を誘致した時代的背景があります。

誘致された土地といっても川があり水の潤う一等地は朝廷や農民に優先され、寺を住まいとする僧侶には水源の乏しい木々に囲まれた平地の少ない土地であったようです。

 

そのような土地に「我慢」して生活する中で生まれた庭園造り。

 

この文化に習い、subaco switchではあるレッスンを作成しました。

 

その名もその通り「枯山水」です。

 

 

 

①砂を整える 

②線を引く 

③石を乗せる 

④石の周りに丸を描く

 

上記の順番を守って子どもたちが各々の庭を作成していきます。

 

一見、定型的な発達をしている子どもや大人からすると簡単そうに思える作業ですが、

注意や計画という実行機能に苦手さがある子どもたちにとってはこの順番通りに行動することは努力を要し、参加の壁になる場合が多々あります。

 

なぜ順に従って行動することが難しくなってしまうのか?

それは短所が原因ではなく、長所によって起きることもあります。

その長所とは?

アイデアが止まらないという能力です。

 

 いろんな考えが次々に思い浮かんでくる力は問題解決のために必要ですが、一つの考えを検証する前に、その途中で異なる考えが生まれて行動を転換すると、初めの考えに対する結果を得られないことがあります。

 

日常の活動場面で例を挙げると、

・おにごっこをして遊びはじめたのに、ボール投げに変わったり、遊びが変わりやすい

・折り紙で飛行機を作り始めたつもりが、いつのまにか車に変わっている

・名前を書く幅に最後の字が入りきらず小さな字になる

・語の言い間違いや書き間違いは少ないが、てにをはの間違いが多くて分かりづらい文になる

 体を動かす瞬間的な活動は得意であっても、上記のように活動を連続させたまとまりのある長い作業に苦手さが目立ってしまう子どもたちです。

 

 そんな子どもたちと一緒に「枯山水」

 

このレッスンでは「自分の思いつき」の中で自分は今、どの段階にいるのか?という自己認識に注意を向け続けます。

 

 頭の片側で「今自分が行なっていること」の自己意識やそれが「適切に行えているか」の自己分析の二つを自己認識として行い、もう一つの頭の片側で「自分の目標設定」や「計画手順」と「次の見通し」の三つを自己決定として行います。

 

 それを実行機能の全体としながら、「枯山水」ではトレーナーと遊びながら外発的に「今自分が行なっていること」の自己意識に焦点を当てていきます。

 

 少し難しい説明になりましたが、理屈はこの程度で、、、、、

 

 

見るだけでも日本庭園の美しさを楽しめる子どもたち一人一人の枯山水。

実際に自分だけの庭園を作ることで、お約束を守る練習になるだけでなくて、

日本の文化に触れるいい経験にもなっていきます。

 

さぁ次は、どんな枯山水を作ろうかな? 

 

 

少ない、足りない、ついてない、、、

そう感じる時もあるけれど、

巡り合って今、与えられた一つを不足と感じるのではなく

かといって、ただそれに満足するのではなく

質素という贅沢を感じれる人になってほしい

 

 

この環境の中でどんな楽しみ方ができるだろうかと

自分の知で試み、隣人と出し合い、見せ合い、分かち合えることが

廃れを知らずに発展し続ける大切な文化なのだと思います。

 

 

今日のおやつの塩せんべい2枚も

雪だるまにして食べるとなんだか楽しい

 

 

 

あぁ 枯山水、枯山水!

 

 

 

subaco switch谷町 松野真平 若杉謙次郎

(すばこだより1月号掲載記事)

 

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