大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

原始反射


 

「なんかい言ったら分かるの!」

「ダメって言ってるでしょ!!」

「やめなさいって言ったらやめなさい!!!」

 

 

     分かっちゃいるけど

      やめられない

 

 

分かっていても

やめられないことをやるボクならば

分かっているのは誰なんだ?

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誕生時の赤ちゃんから備わっている反射があり

それらの総称を原始反射と呼びます

その原始反射の一つに吸啜反射があります

 

生まれたばかりの赤ちゃんの唇を

大人が指やペンなどで押さえると

赤ちゃんがそれを唇でくわえて吸う反射です

 

この反射が赤ちゃんの哺乳を支えます

 

他にも

口の周囲を刺激するとその方向に頭を動かして口を開ける反射(口唇探索反射)

吸ったミルクを飲み込む反射などがあります

(嚥下反射)

 

これらの原始反射は皮膚が刺激された時に生じる特徴があります

しかも、原始反射の始まりは生後ではなく

お母さんの胎内にいる頃から始まります

 

お母さんのお腹を蹴ったり

エコー写真では指を口でくわえていたり

生まれる前から練習している赤ちゃんです

 

 

そんな赤ちゃんがお母さんのお腹から初めて出てきて

赤ちゃん本人が始めに驚くことはなんでしょう?

 

周りの人が口を動かし話していることでしょうか

手足を上手に使い歩いていることでしょうか

そんな自分より先に生きる人との発達差ではなく

まぶしい光のある世界かもしれません

 

 

狭くて薄ら暗いお母さんのお腹の中

光の少ない胎内の生活から

生後、時間をかけて視知覚は発達していきます

 

 

はっきりと物が見えない生まれたばかりの赤ちゃんが

食べ物や危ない物の在り処を知るために活躍するのがこの原始反射です

 

でも、この原始反射がずっと続くわけではありません

脊髄・橋という中枢神経のなかでも

末梢神経に近い神経の働きと

大脳の前頭前野が組み合わさって

この反射が制御されていくのですが

大脳の神経の繋がりが増えるにつれて

反射から脱した活動を始めます

 

 

例えば

不快な気持ちの時は口に食べ物を近づけられてもくわえなかったり

あやしても振り向いたり笑ったりしなくなり愛想尽きたような態度を見せ始める時があります

 

親にとって喜びよりも育てにくさや発達への不安を感じ始める時期でもありますが

赤ちゃんにとっては意思の芽生えのサインなのですね

 

そんな原始反射から脱することで定型的な発達へと進む子どもたちなので

発達検査では原始反射が消失しているか?という確認も大切な観察項目になります

 

反射検査そのものを行い評価することも可能ですが

自然な日常の姿から観察することも大切です

特に呼吸や咀嚼運動などは観察するべき項目です

 

哺乳しながら呼吸を安定させるには

鼻呼吸を熟達する必要があります

 

口ではなく鼻で呼吸するというレベル(延髄)の高い課題が同時に要求されるなかで

さらに頭の位置(中脳)はどうか?

横抱きを嫌がり縦抱きの姿勢を求め始めるなど

現れる反射が変化していきます

 

唇に刺激がない状況でも唇を閉じることができていれば

口部の緊張が原始反射より上位のレベルでも高められていると考えることも出来ます

 

唇を閉じながら顎を動かし咀嚼することができれば

唇の運動は原始反射を脱した自由度の高い運動パターンを獲得していると解釈することも出来ます

 

そんな原始反射から脱した運動発達をみせる子どもたちでも発達障がいの場合は曖昧な特徴を見受けることがあります

 

 

食事中でないのに口が開いていたり

口を開きながら食べ物を噛んでいる

座っていても頭や手足の動きが多い

 

そのような特徴です

 

 

喉を乾燥させて感染症の危険を減らす為には

口を閉じて呼吸するべきでしょう

 

食べ物を口から溢したり、誤嚥を防ぐ為には

口を閉じて咀嚼するべきでしょう

 

 

発達障がいと診断される子どもの場合

大人が正しい所作を本人に伝えると

その時は正しく行えることもあり

その特徴自体が困り感を増やす原因の一つになっているようにも思います

この特徴を減らしていくために

療育を提供するのではなくて

 

個性に親子がどう向き合い

本人がどう自己受容していくのか

 

一人一人の目標のなかでじっくり寄り添い

適切な介助量で本人の自立や自我を支えることが

私たちの務めです

 

努力しても出来ない事実に辛さがあるのではなく

出来たことが出来ない理由は努力不足とされたり

努力の求められ方で感じる苦しみもあるはずです

 

言われてしまう本人も

言ってしまう親の側も

言うべきでないことを言ってしまった自分や

優しくなれなかった自分を悔やみながら

過ごす日もあるのではないでしょうか

 

 

分かっているけれど出来ないことがあっていい

分かってあげられないことがあってもいい

 

分かってもらいたい気持ちがぶつかりあって

分かりあえていくのではないでしょうか

 

 

揺らぐ社会で生きる子どもたちに

変わらない写真を一枚

褪せない思い出を一つ

届けよう

 

  

 

And though you’re dead and gone believe me
Your memory will carry on

 

We’ll carry on

 

 

 

             My chemical romance 

                          – Welcome to the black parade –