大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

安全基地

 

ブーーーーーン

 

今日もsubacoの車がやってきた

僕をどこか遠くへ連れて行く…

 

 

「バイバイ」

 

車の前で揺れる手ひとつ

その両端に立つふたり

 

片方がママで

片方がボク

 

 

 

ボクの目から雨が降る

次第に嵐になって

ボクは叫ぶ

 

 

  「イヤダァ!」

 

 

 

ママと別れても

また会えることを

ボクはあまり知らない・・・

 

 

・・・・ボクの現実は現前だ

 

 

 

車の中でボクは泣く

すると先生も泣く

 

励まされたりしない

 

 

 

辿り着いた部屋の中ではミニカーが

ボクの好きなミニカーだ

 

先生の手にミニカーが!

ボクの手にもミニカーが!

 

 

ボクのがジャンプ

先生のもジャンプ

 

ボクのがバック

先生のもバック

 

 

ボクのが動けば

先生のも動く

 

干渉もされやしない

 

 

 

まるで鏡が目の前にあるようだ

 

でもその鏡の中の自分

動き始めがズレるんだ

その微妙なズレがおもしろい ♩

 

 

ほんとの鏡じゃないなら試してみよう!

 

 

鏡の中のミニカーに手をのばす

 

ほらやっぱり

 

ボクの手に2つ

先生の手にはなくなった

 

 

 

すると先生の顔が曇りだす

木のように動かない

岩のように屈んで

雫が落ちる

 

 

そんな先生に「どーぞ」

すると先生がボクの予測とズレて動きだす

 

その微妙なズレがおもしろい ♬

 

 

鏡のようで鏡じゃない

そんな世界にボクと同調する人がいる

 

 

そんな遊びをボクが飽きるまで繰り返す

 

 

ミラー!ミラー!

これがボクのお仕事さ!

 

 

 

すると

ブーーーーーン

 

 

またsubacoの車がやってきた

またまた僕をどこかへ連れて行く…

 

 

 

通り覚えのある道

入ったことのある建物

 

その手前で大好きなママの手が揺れていた

 

「バイバイ」とはもう聞こえない・・・・

 

 

 

 

鏡のようで鏡じゃないこの世界には

 

 

ボクの真似をして

ボクの存在を教えてくれる人がいる

 

 

ボクを待って

ボクに戻る場所を与えてくれる人がいる

 

 

 

だからボクは出かけてみよう

 

 

 

不安な夜でも

陽はまたのぼりくりかえす

 

 

もうすぐあの車がやってくる

そんな気がする昼下がり

 

 

ブーーーーーン

 

 

ボクの家の前で揺れるあの手を

車の窓から見えなくなるまで眺めていたい

 

あそこがボクの帰る場所

 

 

 

車の中で

小さく揺れる小さな手

 

 

Sくんの大好きなママへの目印が

subacoの車内にありました 

 

 

 

 

 

   subaco bond 谷町 寛奈トレーナー

   すばこだより2020年1月号から