歩容

仕事休みの平日
買い出しに出かける1日
ストックがなくなった日用品や食材
洗剤ならあの店
魚ならこの店
この町のドコでナニを買えば良いのか
かしこく暮らすスベがある
今日は水曜日でアイスがお買い得
溶けると困るので買い物の最後に
あの子が喜ぶアイスを買って帰る
子ども乗せに荷物を載せて
電動自転車のパワーは強
軽いペダルでスイスイ走る帰り道
風を切って走る爽快感と
買い終わった達成感
ダブルの快感で
気分上々↑↑
遠く前を見れば見覚えのある後ろ姿
ランドセルを背負って下を向き
トボトボと歩く小学生
みんなと同じ制服でも
うちの子だと分かるのはナゼだろう
歩き方は顔なんだ
転ばずに前を向いて歩いてほしい
凛々しく胸張って進んでほしい
少し疲れたように一人で歩くあの子まで
あと少し
入学前は不安ばかりだったけど
一人で歩いて登下校できるようになったあの子に
『おかえり!』とカマしてあげよう
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歩く姿を歩容と呼びます
立って1、2歩進めるようになる『歩き始め』は
1歳頃が目安とされていますが
発達障がいは歩き始めた時期だけでは
気づかれないことがあります
よく転ぶ
走り方がぎこちない
そんな印象が強くなれば気づきやすくなります
運動面で大切なポイントは歩き方の発達であり
歩容の評価が重要です
踵から床についているかな
(振り出した足がつま先や足全体で接地していないか)
膝を伸ばして床を蹴れているかな
(膝が曲がったまま歩いていないか)
股を閉じて歩いているかな
(足が骨盤に対して外に広がったまま歩いていないか)
など、自分の骨格・筋肉を使い
知識化した運動へと発達していきます
踵からつけばつま先が下がり、そのエネルギーで前に歩きやすくなる
膝を曲げてつけば太腿の筋肉に張りが高まり、
その張りで膝を伸ばせば前に進みやすくなったり、
高さが稼げて反対の下肢を振り出しやすくなる
など、効率的な歩き方を学習していきます
その学習が歩き始めの後にあり
歩き始めよりも
微細で質が問われる発達課題のように思います
踵からつかないから問題
膝が伸びないから障がいがある
決してそういうことではありません
踵を触ったり、つま先を動かす遊びや
曲げた膝を伸ばしてジャンプする遊びの
ベストシーズンはあります

上手く歩けるように
自分の歩容という顔が定まっていく過程で
いつの時期にどんな遊びをしておけば良いか
どうせ遊ぶのであれば
どうかこの遊びをして欲しい
そう願う遊びはあります
どうせではなくて
どうぞでもなく
どうかと願う
そんな大人の関わりに
どうしようかと駄々をこねる子どもたち
大人が願って生まれてきた子どもたちです
お願いされて頑張る子どもたちでも良いのでは?
いつかこの子も誰かの為に頑張る側になる
思い切ってそっちの側に入れるように
今は思いっきりワガママ言ってちょうだい
甘えてちょうだい
お願いだから
前を向いて歩いてちょうだい!