大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

理解語彙


 

言葉の発達が遅いといわれる子どもたちがいます

 

周囲がその遅さに気づく始まりは

言葉を聞く力よりも

話す言葉の少なさや不明瞭さ

話す文の短さなど

話す力に着目されることが多いように思います

 

 

マッカーサー乳幼児言語発達質問紙という検査があります

1993年にアメリカで開発された生後8ヶ月から36ヶ月までの言葉の発達を親への質問(チェックリスト)から調べる検査です

この検査では話す言葉を「表出語彙」、聞く言葉を「理解語彙」と定めています

もとは英語であるため、小椋たみ子先生(神戸大学)、綿巻徹先生(長崎大学)が日米語彙の対照を調査して日本語版の開発をされました

早期に理解・表出する言葉を50語選び調査した結果、

早期理解語50語に達する月齢は日本児で10〜15ヶ月、米国児で8〜13ヶ月でした

早期表出語語50語に達する月齢は日本児で15〜21ヶ月、米国児で12〜18ヶ月でした

 

両国ともに同じ50の語の量に対して理解が表出より半年間ほど早く到達していることが分かります

 

他に

一歳半で100の言葉が理解できるようになり

3歳になって1000語に、

6歳になって6000語になる、、、

そういった語彙が爆発的に増える定説もあります

 

それが確かだとしても

大人が6歳の子どもを目の前にして

6000もの言葉を理解していると思えることは当然ではないように思います

 

なぜそう思ってしまうのでしょうか

 

それは聞いている姿よりも

言う姿を子どもの言葉の力として重視してしまう為かもしれません

 

『分かっているなら言ってみて』ではないのですね

 

 

分かっていても言えないことがあって当然であり

理解できることが増えた後で

言ったり、書いたり、表すことが増えて自然です

 

 

子どもが、相手が、理解しているかどうかを

言葉で表してみさせるのではなく

態度や行動で確認することが大切ですが

 

 

大切に思うからこそ心配する子どもに対して

ついつい先走って言ってしまう大人側

その当然さを責めたりせず

 

ただ少しその違いに気づかれたのなら

伝えるだけではなく

聞いてみてはどうでしょうか

 

 

その時の大人の感覚は

少し諦めに近いのかも知れませんね

 

さて今日も子どもたちを

じっくりと見て聞いて心していきましょう

 

 

 

   You don’t know what I’m feeling
   I’m more than what you made of me

 

                         Beyoncé    “Listen “