大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

脱感作


 

 

気がつけば手を握りしめている

気がつけばつま先を立てている

気がつけば歯を食いしばっている

 

 

何もないのに

何かに緊張している

 

 

落ち着きがないと言われて

悔しくないかい?

 

 

 

君は一生懸命なんだろう

歩ける距離でも走るんだろう

 

 

突っ走る前に

体を伸ばしてみない?

 

 

鉄砲玉のように飛ぶ前に

スライムのように寝転んでみよう

 

 

怖がらないで

力を抜いて

 

 

力を抜くにも勇気がいる君だろう

 

そんな君でいいじゃないか

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心理療法に脱感作療法という方法があります

 

南アフリカの精神科医のジョセフ・ウォルピが1950年代に考案した恐怖症や不安症に対する治療法です

 

恐怖や不安を感じた時は生理的に興奮して体が緊張したり、思考が停滞する傾向があるのですが

そんな場面で徐々にリラックスを促し筋肉を弛緩させたり、自己主張を促すなど

不安や恐怖の感情を拮抗反応(反対感情)で抑制する「逆制止の原理」を用いたアプローチです

 

 

不安や恐怖に怯えて習慣的になった行為に対し

なぜそれをそう感じるのか?と考え方(認知)にアプローチするのではなく

体に直接アプローチして、体の反応を変えていくことで不安・恐怖を抑えていく療法です

 

 

治療法といっても

治療者が勧めて脱感作を始めるばかりではなく

実際は本人自ら知らずに行っている場合もあり

特に子どもたちは本能的に逆制止に近い行動をすることが多いです

 

 

 

 

例えば

お勉強が始まる前に大きな声を出したり

先生が説明を始めると自分の話しを始めたり

遊びが終わりの時間に片付けず寝転んだり

 

 

それらが必ず逆制止という原理の行動とは限りませんが

中には本当に不安を抑える為に本能的に真逆の行動をしている場合もあります

 

 

『落ち着きがない』『ふざけている』

そう思われてしまう場面であり

しつけで対応される事もあります

 

 

 

 

でも

子どもたち一人一人の行動には意味があり

その意味を子ども自身が説明できない

大人が簡単には理解できない

そんな神秘さがあります

 

 

 

そんな神秘の尊さがあったとしても

一瞬一瞬 感受して子どもに構う余裕がない

 

 

大人はそれで普通なのかもしれません

 

それでも、こんな大人で良いのかと自分を振り返り子どもと一緒に歩む日々

 

 

 

 

大人に教えられる子どもですが

子どもが大人に教えることもたくさんある

 

 

ずっと変わらない

こんな感じがいいですね