読み書き障がい

国語の時間
今日も学校で笑われた
ふざけているわけじゃない
だからつらい
先生が笑った子を叱る
ボクに『頑張れ!』と励ます
それがくるしい
読めないわけじゃない
遅かったり読み間違ったり
ただ苦手なだけ
保育園の時から通い始めたこの場所
今でも学校が終わり通ってる
先生はカードゲームをしてくれる
タブレットを触らせてくれる
何かクセを感じる遊びがここにはある
気づかってくれているんだな
気づいてくれているのかな
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ディスレクシア・発達性読み書き障がいと呼ばれる障がいがあります
1896年にイギリスのMorgan先生が報告した文字の読み書きに限定した困難さをもつ障がいです
知的能力や勉強量の問題ではなく
音韻認識に関する脳機能の発達に原因があると考えられています
音韻認識とはなんでしょうか?

耳から聞こえる音を言葉の音韻として認識する機能を指します
例えば赤ちゃんに大人が『バー!』と声をかけることに対して、その音韻を大人は『バー』や『バァ』など文字にして意識することができますが、赤ちゃんは音韻として聞いているのはなく、音響として聴いています
繰り返される中で
音響の特徴を人の声だと認識し
声とその持ち主(音源)である親(人物)を同定し始めます
人の声以外にも
生活音と人の声を区別したり
楽器の音だけを聞いてその楽器が分かったり
動物の鳴き声だけを聞いてその動物が特定できたりしていきます
親の声を聞いて親だと気づくことや
動物の鳴き声を聞いて危険に気づくことは
自分の命を守る為に重要です
(後者は現代的ではありませんが…)
音を聞いて人の声や声主が分かるようになってくると
生命安全のレベルから社会参加のレベルへと聴覚処理機能が発達していきます
声が意図を含んだ言葉として聞けるようになり(語用論的な発達)
言葉のパーツである音韻に気づき始めます
(音韻論的な発達)

5歳になるとしりとりで遊んだり
ダジャレをおもしろがることが増えますが
それは語彙が増えたことよりも
音韻認識が育ってきたサインです
学童期になると音声言葉だけでなく、読み書き言葉(文字)の活動が始まるので
就学前には音韻認識の弱さがないか気づかれたいところです
本を読んでトレーニングするだけではなく
読む為に必要な基礎となる力を
繰り返し、しつこく、楽しく、何気なく、
なるべく早期に介入出来ることは
子どもにとって尊いことだと思います

治してあげられる
良くしてあげる
それ以前に
気づいてあげられることは保護者様の受容が必要であり
それはどの保護者様にとっても簡単なことではないと思います
ただ、
子どもにとって気づいてもらえることは
包まれた気持ちになるのではないでしょうか
子どもたちが大人になっても忘れられない場面があり
分かるようになった
出来るようになった
そういう困難を乗り越えた記憶だけでなく
自分に応じた遊びや会話、勉強
そんな記憶も残してもらえるようご家庭と一緒に取り組みます
気づくこと、評価すること
それだけでは前に進みませんが
与えることを決める為に重要です
優しさに包まれて
子どもの目に映る大人のメッセージ
さぁ、今日も愛を届けましょう!