大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

《2018年1月号》靭だより「ふわふわ、風船バレー♪」他


 早いもので、新年が明けて1ヶ月が経ちましたね。今年も子ども達がたくさんの「できた!」に出会える一年になるように、スタッフ一同尽力してまいりますので、2018年もよろしくお願いします。

subaco kids

「ふわふわ、風船バレー♪」

 みなさんは小学生のころ縄跳びでどのように遊んだでしょうか?
 私が通っていた小学校では、毎年3学期になると「縄跳び強化週間」があり、体育の授業はもちろん休み時間や放課後も友達と一緒に回数や技を競いあって遊んだ記憶があります。

 小学1年生のRさんは笑顔が素敵な女の子です。何事にも積極的に取り組んでくれるRさんですが、縄跳びになると上手に跳ぶことができず笑顔が曇ってしまいます。

 そこで、体育科目の1つでもある縄跳びが上手に跳べるようになれば、体育の授業ももっと楽しく取り組めるはず!と「縄跳びを5回跳ぶ」という目標に取り組みました。

 Rさんの縄跳びの様子を確認すると「縄を回して跳ぶ」ということはわかっているようですが、縄が頭上や前方にあるときにジャンプをしてしまい、タイミングよく縄を跳び越えることが難しそうな様子がありました。

 その様子から、トレーナーは“シークエンス行為機能”という効率よく動作を行うために運動を組み立てる機能に課題があるのではないかと推測し、「こえてくぐってエクササイズ」という検査を行いました。
 
 この検査は、膝の高さの紐を跨いだ後、その紐の下を今度はくぐって元の位置に戻る、という動作をできるだけ早く10回行います。Rさんは、紐の下を通って元の位置に戻るときに、両手両膝を床についた四つ這いの状態で移動する様子があり、時間がかかってしまいました。この検査から、縄跳びを行うときにも効率良く運動を組み立てることが難しく、「縄を回しながらタイミング良くジャンプをする」ことの困難さにつながっていることがわかりました。

 このことから、トレーナーはRさんと一緒に風船バレーを行いました。ゆっくり落ちてくる風船めがけてタイミング良く腕を動かします。時にはジャンプをしながら風船をアタックしてみたりと、アレンジを加えながら行いました。対象物の動きに合わせて身体を動かすことで、効率よく運動を組み立てることができるようになってきました。

 
 久しぶりに縄跳びに挑戦!

 「1・・・2・・・3・・・4・・・5!」

 ゆっくりではありますが、5回縄跳びを跳ぶことができ、迎えに来られたお母様ともハイタッチをして喜んでいました。

 Rさん、目標達成おめでとう!キラキラ笑顔が輝いていたよ(^ ^)♪(河口 知美)

 

subaco kids 靱公園からお知らせ

subaco switch

「心のスイッチオン」

1月4日・5日の準備期間を経て、8日にsubaco switch靭公園が始動致しました!今回はsubaco switch靱公園ではどのような活動を行っているのかをご紹介します。

  例えば、ご家庭や学校・園で 「宿題が残っているのに、ゲームをやめられない」「最後まで課題に集中することができない」「座って待っていないといけないと分かっていても、待ちきれずに立ち上がってしまう」といったことはないですか?

 subaco switch靱公園では、課題を持ったお子様に対して、「目的のために自分の気持ちや行動をコントロールする」活動を行っています。この「目的のために自分の気持ちや行動をコントロールする」機能は実行機能と呼ばれ、この実行機能を働かせる経験を積み重ね、自制する力を身につけてもらうための活動を行っています。
 
 「先に宿題をしてしまえば、あとでゆっくりゲームができたぞ。」「最後まで頑張って集中したらできた!また次も頑張ってみよう!」「頑張って待ってたら、先生に褒めてもらえたぞ!」といったように、ただ我慢するではなく、自制した先に喜びや楽しみを設定したり、成功体験を積む活動を行い、どうすれば目的の為に自分自身をコントロールできるのか、子どもたちは学んでいるのです。(尾野 咲音)

subaco study

「私の出来事、書いてあげる!!」

 みなさんは、小学校の頃夏休みや冬休みの宿題で作文、読書感想文など書いた経験はないでしょうか。色んな出来事や思い出を書いたと思います。

 subaco studyを利用してくれているRさんは、ジャニーズが大好きな小学6年生の女の子。いつも大好きなアイドルについて、新曲の話やテレビの話を楽しそうにしてくれます。そんなRさんですが、作文を書くときになると今までの笑顔が無くなってしまうのです。お母さんに話を聞くと学校でも手が止まってしまうようでした。

 Rさんが書いてくれた作文を見てみると…「日曜日にイオンにいきました。」と1行書いたところで手が止まっていました。なぜRさんは書くのが苦手なのでしょうか。作文を書くには語彙に関する形態論、正書法、統語知識などです。ここでどこに難しさがあるのかを知るためにWISC−Ⅳという知能検査を行いました。すると、言語理解指標という言葉の意味や概念につまづきがみられました。特に言葉を思い出すことに時間がかかり悩んでいる様子が見られました。

 そこでトレーナーが考えたレッスンは「引いて引いて、何でしょう!」です。箱の中にいくつかキーワードを書いたメモを入れておき、Rさんに引いてもらい、そのキーワードから関連する語彙に結びつけていくゲームです。Rさんはジャニーズが好きなのでイメージしやすいキーワードも混ぜながら作っていきました。始めは、「これ何のこと…?」と困っていたRさんですが、好きなアイドルに関連したキーワードも入っていたこともあり、少しずつ書き出すことができました。最近では、好きなアイドル以外のキーワードも語彙に結びつけられるようになり、初めは1行書くことで精いっぱいだった作文も5行書けるようになってきました。

Rさん、次はどんなお話、書いてくれるかな?先生、楽しみにしてるね。(上田 千晶)

subaco study 靱公園からお知らせ

 

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