おはしがうまく握れたら。

おはしがうまく握れたら なにが得するっていうんだろう?
うまくお箸が使えなくても、何とかご飯は食べられているし、
お腹が減って困ることの理由になんかならないし。
でもね、
人がご飯を食べる時って、お腹が減っている時だけじゃないんだよ。
君とご飯を食べたい人がいるから、君はご飯を食べることだってあるんだよ。
食事ってコミュニケーションでもあるんだよ。
人前で食事をすることって、人と楽しく暮らすためにも大切なんだ。
そんな時、君が不安定なお箸の握り方をしていると、君の前で食事をしながら君と話したい、食事の時間を楽しみたいと思っている人はどんなことを思うだろうか?
不安定なお箸の持ち方に気になるかも知れないよ。
『お箸が持ち辛そうだな』
『ごはんが落ちそうだな。』
『こうやってうまく持てば、楽にお箸が使えるのに・・・』
なんて思うかも知れない。
それはお箸をうまく持てない君のことを見下しているんじゃないんだよ。
君のことを不安に思ったり、心配してしまうんだ。
君に気をつかってしまう『人』がいるんだよ。
でも、君は今まで『こうやって持ちなさい!』としつけられる経験だってあっただろうし、
自分の持ち方が正しくはないことだって薄々気づいていることもあると思う。
だから、君のことを心配に思う人のことを君は『余計なお世話だよ』って感じてしまうのかも知れないね。
そうなれば、君もいつの間にか無意識的に人と一緒に食事をすることが嫌になるかもしれない。
そうなると、君の人生にとって、幸せの壷が小さくなったりしないだろうか?
君はその壷のサイズに気づかずに人生を歩んでいくのかも知れない。
壷が今よりも大きい時の人生と比べて、今の生活について反省することなんて、
そう簡単なことではないと思う。
でもね、
ありがた迷惑かもしれないけれど、
君が子どもである限り、大人は君になるべく出来ることが増えて欲しいと願っているんだよ。
できることが増えて、困ることなんてあまり考えず、
なるべく出来ないことを減らすほうが、幸せにつながると信じて育ててるんだよ。
君ができなくても、君のことを嫌いになったりしない。
でも、君ができることが増えれば、君が今よりも幸せになれるんじゃないかと願ってる。
だから今日も言うよ。
お箸は3本の指で握るんだ・・・。
お茶碗は両手で持ちあげてから、片手で持つんだ・・・。
パスタは静かにすするんだ。
豪快にすすりたいなら蕎麦なんだ。
How do you do
what you do to me?
I wish I knew,
if I knew how you do it to me
I’d do it to you.
How Do You Do It – The Beatles