大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

お母さんに伝えるために。



本日はsubaco study竹本トレーナーの報告です。

 

 

あつ君の保護者様の主訴は「報告ができるようになってほしい」とのことです。

今回は獲得語彙に関する評価として、絵画語彙発達検査を実施しました。

検査を行った印象は以下の通りでした。

・部屋の鏡が気になっている
・集中は続きにくい
・分からなくなると集中することが難しくなってくる
・封筒、湯気等、普段の生活の中で意識していない言葉は理解していないのではないかと思われる

検査中の行動については以下の通りでした。

・知らない物は「知らない」と言うことができる
・少し待つと答えることができることが数回あった
・カテゴリーを表す言葉は正答することができた
・動詞における正答率は2/4であった
・動作を入れることで少し楽しんでとりくめる

 

 

結果として、生活年齢(4歳5ヶ月)に対して、語彙年齢(4歳0ヶ月)と5ヶ月の遅れとでています。
語彙には大きな遅れはみとめられませんが、絵画語彙発達検査は絵を見て指差しながら答える検査であり、絵をみせて「これ何?」と聞いたり、絵を見ずに言語で「~ってどんなもの?」等の質問を行なった場合、検査結果がかわってくるのではないかと思われます。

対応としては、あつ君の語彙力や語想起力について、K-ABC2の「なぞなぞ」等を用いながら、評価をしていきたいと思います。

また、報告ができるためには、エピソード記憶の力を評価することも必要であると考えています。

 

 

自転車は乗り物ですか?食べ物ですか?

という質問に答える力と、

自転車とはどのようなものですか?

という質問に答える力の違いはなんでしょうか?

 

多肢選択的に答える力と 自由に連想して答える力という違いなのでしょう。

 

今日あったことをうまく言葉で説明することが難しい あつ君です。

『今日は楽しかった?しんどかった?』と聞かれて答えることができたとしても、

『今日はどうだった?』と聞かれてもうまく答えることは難しい。

 

そんな本人が自分の身に起きた出来事を周りの人に知らせようとするならば、

ある程度、本人がしたであろうことを知る人でしか、うまく彼から聞き出せないのでしょう。

 

となると、周りの人が知らない場所や活動を本人一人で経験してもらうことは、

任せる側、責任のある側の大人にとって勇気のいることです。

 

どうすれば自由に答えることができるのでしょうか?

 

もしかすると、自由を制限することにヒントがあるのかもしれません。

 

自分の出来事を思い出す力も必要でしょう。

でも、それだけではなく、

聞き手の相手は何を知りたがっているのだろうか?

学校のことか?

先生と話した内容のことか?

友達と何をして遊んだことか?

 

そのように限局して仮説することができるようになれば、

自分自身で選択肢をつくることができるでしょう。

 

私たちは『もし仮に〜』と仮説して考えてみたり、

『例えば〜』と類似して考えることができます。

そんな『考え方』という答えの導き方それ自体を考えることができる力を持っています。

 

 

考える力をどのように子どもたちに教えましょうか?

 

 

教えようとせずにも、そんな力で楽しみを共感できる竹本トレーナーです。

 

かけるものはどれ?と尋ねられて『めがね』と答えたあつ君。

それを受けて、メガネをかける振りをする竹本トレーナー。

 

子どもにとって旬であり、

 

大人にとって新鮮な関わり合いがある場所でありたいと考えるsubaco studyです。

 

 

 

 

My heart is drenched in wine
But you’ll be on my mind
Forever

Don’t Know Why- Norah Jones