こわがり。本当は さびしがり。
subaco kids 紙谷トレーナーの報告を紹介します。
さとる君
頭の位置の変化を怖がったり、他児の身体が急に当たったり、触られたりすることが嫌であったりします。その為そういう事があった時に怒ってしまい、周囲とトラブルになったり、乱暴に思われてしまい、対人関係の不利が生じてくるように思います。
行為・動作にも、ぎこちなさなどの不器用な部分がありますが、不器用な子どもの介入だけでなく、こわがりな子どもの介入の原則を上手く組み合わせながらアプローチ・お仕事をおこなって貰えるように考えたいと思います。さとる君はルールなども分かりやすいものでないと難しいので、分かりやすいものにストーリーを含ませながらおこないたいと思います。
『触覚』という機能的な階層の問題から能力的な階層、社会的な階層の問題との関係について考えている報告のように思います。
『感覚過敏』のような『こわがり』『気にしい』な問題を抱える子どもに取って
テンポの良いストーリーがあれば、活動に乗りやすいことがあります。
『怖い』にも大きな分類として、不安と恐怖があります。
漠然としているもの、怖さ・不快さを刺激する明らかな対象が無いものを『不安』
何が怖いか対象を特定できるものを『恐怖』と精神医学では定義しているようです。
不安や恐怖などを訴えにもつ子どもたちに対してはステップを踏んだ関わり方が大切です。
ステップ①怖さを生んでいるもの(感覚媒体)大人が明らかにする
ステップ②子どもが媒体(原因主)に気づく
ステップ③子どもが媒体に対する戦術を身につける
大きくはこの3ステップが大切だと私は思います。
ステップ③はあくまで戦術ですので、倒し方(反抗)だけでなく、逃げ方(撤退)も習得すると良いですし、身を守りながら戦うために『盾』を手に入れることも大切だと思います。
イヤーマフやキーホルダーなども盾の概念ではないかと私は思います。
また、『こわがり』という問題は、感覚系のみでなく、
情緒発達に問題がないか念頭に置くべきだと思います。
情緒発達は情動のコントロールに関係しますが、他にも様々な大きい問題を抱えます。
こわがり以外にも『さびしがり』ととらえてみることもできると思います。
新生児から人に触られること、タッチを通してお母さんや人と伝わる・伝える関係が作りにくい、おまけに言語理解にも遅れがある。
どうやったら自分のことが人に分かってもらえるのか、人のことを自分は理解することが出来るのか、
もし、そういった状態にある子どもならば、この前の私たちがとった関わりに落ち度はなかったかな?と今さらながら反省します。
感覚に問題を抱える子どもの深刻さは計り知れないと思います。
自分に怖いと感じさせている相手は何か?
それが分からないから余計に怖いんだってこと。
先生と見つけるところから、一歩踏み出してみないかい?
And from the first time that she really done me,
Oh she done me, she done me good.
I guess nobody ever really done me,
Oh she done me, she done me good.
The Beatles – Don’t let me down,