カラダの絵
上の写真はsubaco kids(児童デイサービス)に通っている小学3年生の男の子が描いた絵です。
何の絵かといいますと、
180cm程度の高さの鉄棒と身長が100cm程度の男の子の写真を見て、男の子が鉄棒にぶら下がっている姿を想像で描いてもらった絵です。
この絵からどのようなことに気づくでしょうか?
私が気づいたことを記しますね。
①右手と左手の大きさが違う
②左上肢には肘があって右にはない
③指があるけれど、長さが極端に短い。手のひら(手掌が強調されている)
④肩がない
⑤頚がない
⑥耳がない
⑦瞳がない
⑧鉄棒を指で握っていない
⑨腕と体幹と頭は幅(2次元)がありますが、下肢や目・鼻・口は幅が無く(1次元)線
⑩下肢の付け根(股関節の位置)が腕(肩関節の位置)との距離が近すぎる。
⑪下肢と上肢・体幹・頭部の長さのバランスが合っていない(下肢が極端に長い)
⑫足がない(下肢はあるが足という面がない)
⑬ぶら下がらず、下肢が地面についている
⑭服を着ていない
と色々な特徴があります。
このような特徴からわかることはなんでしょう?
本人の『ヒトのカラダについての意識』や『知識』、『鉄棒にぶらさがるという行為についての意識』や『知識』、頭の中でイメージを紙に次元化して目と手と鉛筆で描くという『変換』・『運動』の能力。
そんな能力をこの子はどれくらい持っているんだろうか?ということを検査者であるボクたちが推測(評価)することができます。
この子は鉄棒にぶら下がることが難しい男の子です。
鉄棒にぶら下がることをどのように感じているのでしょうか?
『握れないんだ!』
『そもそも握るなんてどういうことなんだ?』
『足がつかないといけないんだ!』
『そもそも足ってなんなんだ?』
『足がつかないから怖いんだ!』
『フラフラするのをどうやって止めるんだよ。』
そんなふうに感じているのかなぁ?
でも、そんな感じ方を言葉にできないから周りの友達や大人に分かってもらえなかったりするのだと思います。
だったら言葉の問題か?
そういうわけでもないんです。
この子の描いた絵には肩がありません。
鉄棒を掴んで足が地面から離れた時、身体がぐらつかないように支える仕掛けはどの場所か?
腕と体幹を連結している肩関節です。
さらに絵の中では頚や体幹の存在もあやしいです。
この肩関節から伝わる揺れを身体の他の場所に広げて伝えてしまう部位はどこか?
頭に対しては頚の頸椎ですし、下肢に対しては肩から股関節の間にかけての胸椎や腰椎です。
この子にとって、『背骨』で目的とする姿勢を作ったり、守ったりすることはまだ難しいことなのかもしれませんね。
そんなこの子とどんな遊びをしましょうか?
その続きはsubaco kidsで♪
大人が子どもを知る方法は言葉以外にも山ほどあって、
子どもが大人に伝える方法も言葉以外に山ほどある。
確かに言葉は使えた方が便利だと思います。
でも、でも、言葉なんていい加減なものです。
ウソかも知れませんし、忘れてしまうかも知れません。
知ろうとする・伝えようとするボクたち大人が言葉に頼ることを少し弱めれば、
それ以上に知ること・伝わることって増えるんじゃないでしょうか?
何倍も。
何倍も。
大切にしたいことってなんだろう?
I waited ‘til I saw the sun
I don’t know why I didn’t come
I left you by the house of fun
I don’t know why I didn’t come
Don’t Know Why – Norah Jones