大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

ナラティブ


なんで泣いてるん?

泣いてるだけじゃ分からへんから教えてよ

 

何があったの?

 「ケンカしてん」

 

誰と?

 「ママと」

 

いつ?

 「さっき」

 

どこで?

 「家で」

 

なんで?

 「ボクがウソついたから」

 

 

どんな?

 「それは言えへん」

 

 

そうか・・・・

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実在するモノや出来事に名前があることを知って

語彙が増えていきます

 

 

1語から2語並べた発話表現が増えてくると

聞き取っている文の中にある助詞・助動詞を意識できるようになり

文レベルの表現が増えていきます

 

文レベルの発話ができるようになると

学齢期の言語発達のクライマックス

「ナラティブ(語り)」のステージに入ります

 

 

ナラティブとは複数の文をつなげて

一つの話の「まとまり」を表現することです

 

このナラティブには2種類あるとされています

 

・パーソナルナラティブ(自分が経験した出来事についての語り)

・フィクショナルナラティブ(架空の出来事についての語り)

 

 

言葉の発達は大きく「聞く・読む(理解)」と「話す・書く(表現)」の

2つの側面に分けられて進んでいきます

一般的には表現することよりも

理解する力が先行して発達していきます

 

 

話す力よりも

聞く力が先に伸び

 

語を聞く力が高まれば

語を話す力が増え

 

文を聞く力が高まれば

文を話す力が高まります

 

 

それでは

『語り(複数分のまとまり)』を聞く力はどのように高まるのでしょう?

 

 

子どもが日常的に語りを聞いている場面があります

 

絵本の「読み聞かせ」です

 

 

もちろん普段の会話の中で

今日出かけた場所や行なった遊びなどを

親や友達、先生が語って本人が聞くことも大切ですが

 

 

絵本は絵という意味のイメージを与えられながら聞くことができます

 

 

 

語りの発達は学童期からの課題であり

5歳、6歳、7歳は

ご家庭では絵本を読み聞かせて寝かしつけることが少なくなるお年頃かもしれませんが

そんな語る力が高まり始める時期にこそ

『むかしむかし あるところに・・・』と

1ページに3から5文程度の構成からなる文章の読み聞かせを

ひたすらに続けていくことも大切なんですね

 

 

 

お仕事もお酒も八分目?

 

 

親にとってはたった二分程度の計らいを

期待して待っている子どもたちかもしれません

 

 

 

いかがでしょうか?

 

今日はいつもの『ただいま!』ではなくて

 

『もーいーかい?』と語りかけてみては

 

 

 

      「まーだだよ」

そう返してくれたら 

もうひとしごと・・・

 

 

 

こんな毎日も

やがて『むかし、むかし、、、』と懐かしむ日がくるのでしょうか

 

 

『あの頃は』と語りあえる日に

今日も1日近づきました ♪

 

 

 

 

    兄貴も親父似で無口なふたりが
    たまには酒でも飲んでるだろか
    あの故郷へ帰ろかな 帰ろかな

 

 

                  千昌夫 『北国の春』