ラッキーナンバー

ボクにはボクの感じ方があって
それは生まれた時から始まっている
言葉のない頃からね
1から10まで言えるようになった
どうしてだろう
その先が少しむずかしい
11が言えない
どうして11を10に1を足して『じういち』と呼ぶのか
英語になったら11は『イレヴン』と呼ぶ
どうして『ワンティーン』じゃないのだろう
12も同じだ
どうして『トゥエルブ』と呼ぶのだろう
『トゥエンティーン』と呼ばないのだろう
と思いきや どうして13は『サーティーン』と呼ぶのだろう
どうして14は『フォーティーン』と呼ぶのだろう
12まで特別な呼ばれ方をしている
13からなんだか言葉の扱い方適当だ
と思いきや13はキングなんだぜ
数は数なんだ
数は言葉じゃないんだ
言葉っていい加減だ
数だけならば楽なのに
言葉の発達がゆっくりな子がいます
『言葉が遅れている』と言われたりする場合がありますが
それが障がいとも限らないこともあります
言葉にあまり頼らない方法でその子なりに生活しているのかもしれません
『言葉に頼らない方法』
どんな方法なのでしょう
2つの積み木があるとします
定型的な発達では1歳半ごろになると
1つの積み木の上にもう1つの積み木を重ね始めます
モノの上にモノを重ねるという活動です
それが出来るようになると
『りんご おいしい』というような
1つの言葉に もう1つ言葉を上から「重ねる」ような話し方(語連鎖)を始めます
続いて上下に『おいしいりんご』『りんごおいしい』というように
同じ言葉でも積む順を入れ替えることで シンプルに意味が増やせる方法を獲得します
さらに 2、3個の積み木を横に並べて「つなげる」ような遊び方ができるようになると
『りんご ほしい』『りんご あげる』というような
「が」「を」などの格助詞を潜めた方向のある文を話し始めます
肝心なことは言葉の土台は耳から聞こえる言葉だけではなく
数や空間に関わる『知』が大きいということです
言葉が遅れているとなれば
言葉で情報を伝え合っている輪の中では困ることが多々あります
不安な気持ちが強まり自尊感情が損なわれないように配慮する必要があるでしょう
本人さんが『言葉の良さ』に触れられるような取り組みが大切です
本人が好きな場所に出かけて その光景を描き その絵に少しずつ言葉にしたり
好きな眺めを見ながら音楽を歌い 歌詞を自分の好きな響きの言葉に変えたり
絵や歌を交えて その子の物語を作っていきましょう
その物語からその子の感じていることが見えてくると思います
それが見えた時きっと二人の心の距離が近づくでしょう
この人なら分かってくれるだろう
そう思えるからこそ
伝えるのではないでしょうか
「万物は数なり」と考えたピタゴラスのように
完全な数はあっても
完璧な言葉はなく
1から発達しはじめる子どもにとって
規則性のある数の理解は欠かせないのかもしれません
1と1が出会い1となり
1として生まれたこの子が
素敵な人・仲間と出会い
1となり
また1をつくる
自分もその数の1つであることが誇りです
ラッキーナンバーはずっと1です
One is All
All is One