世話をしたこと、されたこと。

ボクが困って泣いたとき、
お母さんやお父さん、先生が助けてくれた。
だから、出来るようになったことが増えた。
だから、困ることも少なくなった。
そして、ボクは困っている気持ちから解放された。
時がたった。
今は今なりに困っていることがある。
今の自分はだんだん、あの頃の困っている自分から遠くなっている。
あの頃、ボクは何に困ってたんだっけ?
あの頃、ボクを助けてくれたお父さんやお母さんの顔、先生の顔、
なんだかはっきりと思い出せなくなってきた。
でも不思議なんだ。
お母さん、お父さん、あの頃お世話になった先生は今でもボクのことを子どもみたいに扱うんだ。
ボクはもう大きくなった。
大人になった。
それでも、まだお世話になった人には子どもみたいに相手にされるんだ。
『しっかり朝ご飯食べるんだよ。』
『人前ではきちんと挨拶しなさいよ。』
『忘れ物ないか?』
いつになったら、認めてくれるんだろう?
ボクがもう大人になったこと。
でも、ボクにも子どもが出来たんだ。
少し分かった気がする。
ボクが今までお世話になった人に子ども扱いされる理由。
子どもなボクを世話する時代。
親として子どもとの忘れられない大切な思い出だったんだね。
それを世話されたボクが忘れてしまっていたんだ。
それを思い出させてくれた子どもたちがいるよ。
ここにほら!
伝えていこう、
見つけていこう、
この子らの愛しさを。
いつか、この子らが大人になるその日まで。
親に『ありがとう』と謝れるその日まで。
Hey Jude, dont make it bad.
Take a sad song and make it better.
Hey Jude -The Beatles