大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

共感覚。


自閉症と診断された子どもの中に、

大きな音が苦手な子が多くいます。

『聴覚過敏』と説明されているケースが多いようです。

でも、苦手を単に『過敏』と片付けてよいのかどうか。

 

『聴覚過敏』は特に脳性麻痺児・者に多いと思います。

これはボクの臨床経験による偏見かもしれませんが、

不随意運動や筋緊張異常のあるケースに多いイメージがあります。

認知症高齢者でも重度化したレビー小体性の方にも多いような気がします。

特に移動能力の低下にともなって、音に対する感覚処理の変化が出現するように思います。

 

これらの認知症高齢者や脳性麻痺等の重度身体障がい者における『聴覚過敏』と

自閉症(発達障がい)における『聴覚過敏』とでは、

症状の意味が異なるように思います。

 

『共感覚』という感覚機能があります。

1 つの感覚的刺激に対して、複数の感覚が同時に起こり、

他の感覚が反応することを『共感覚』と言います。

代表例では音に対して色彩を感じる、つまり「音が見える」色聴などです。

共感覚を持っている人を共感覚者と言います。

2千人に1人くらいの割合でおられるそうです。

 

運動機能に障がいがある児童や成人は金属音や警告音に対して、

四肢が急に動いたり、肩をすくめたり、原始反射のような動きが見られるのが特徴ですが、

自閉症ではそのような反射レベルの反応ではなく、

動けなくなったり、飛び出してにげたり、耳をふさいだりすることが多いです。

 

 

この時、ボクはよく自閉症児者の顔の表情(特に眼輪)を見ます。

 

 

電車の警笛が鳴ったとき、まるで何かが見えて恐がるような目つきをする児童がいます。

 

 

このような反応では聴覚情報から視覚的反応が誘発されているのではないかな?と考えてしまうことがあります。

 

 

苦手なことをただ単に『過敏』と解釈するだけでなく、

この子の中で今どんなことが起きたのだろうと考えることが大切だと思います。

 

 

いつも苦手な音が聞こえる場所に、お気に入りの絵本を持ち備えておいてみたり。

 

 

音で見えるものを消してみる。

 

そんな提案も大切だと思います。

 

この子の感覚ってどうなってるんだろう?

考えさせられる毎日です。

 

 

 

 

Long time….