大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

分からないのはボクのせい?


subaco studyの療育場面です。

竹本トレーナーとTくんが作戦会議をしている様子です。

どんな作戦なんでしょう?

 

 

算数が苦手な子どもにどうやって算数を教えましょうか?

10までの足し算が難しい子どもにどうやって足し算を教えましょうか?

 

 

足し算が苦手な子どもに足し算を教える。

その方法は正解でもあり、間違いでもあります。

 

 

3+3=   

4+2=

 

 

これが分からなくて困っている子どもがいたとします。

あなたならどうしますか?

ボクは子どもにインタビューをします。

子どもの様子を眺めることから知り始めます。

 

上の式を見て、この子はどんな感じがするのかな?

どんな顔をしているのかな?

どんな姿勢になるのかな?

どんな発言をするのかな?

 

そんな反応からも子どもの中で何が起こっているのか推測します。

 

例えばですが、こんな子どもにこんな式をみせるとどうでしょう。

 

3+3=X

4+2=Y

 

先生:『Xの数字はなに?』

子ども:『6だよ』

先生:『そうだね。じゃあYの数字はなに?』

子ども:『6だよ』

先生:『じゃあ、XもYも同じだね!』

子ども:『違うよ。XはXだし、YはYだよ。』

 

さぁ、あなたはこのような場合の子どもがが何につまずいているか分かりますか?

 

数の概念!

確かにそれもあるかと思います。

でも、それだけとは限りません。

 

 

3+3=  

 

 

先生:『これって何を聞いているの?』

子ども:『=3+3=はカニに見えるなぁ。』

先生:『じゃぁ、4+2= は?』

子ども:『=2+4+2=にしてみると大人で大きなカニにもみえるなぁ。。。』

 

先生:『いやいや、それじゃないんだよ!3+3は何か?って聞いてるんだよ。

    この『は』が『=』で、『何?』っていう部分がXなんだって。』

 

子ども:『だったら始めからXが何かって聞いて欲しかったなぁ。』

 

先生:『次からそうやってたずねるね。君にとってはそれが分かりやすい方法んだね。』

 

定型発達の方はこんなやりとりが信じられないかもしれませんが、発達障がいが疑われる小学低学年の児童にとっては方程式は分かりやすい式である場合があります。

 

これには見立てたり、ふりしたり、想像することの弱さに原因があるかも知れません。

 

発達障がい(特に自閉傾向)のある子どもにとって、

3+3=   

4+2=

こんな不完全な式はけっこう気持ちが悪かったりすことでもあります。

 

気にするべき場所をどこにすれば良いのかと、

定めたり導かれることが難しい情報であったりします。

 

 

算数でも国語でも、それを解くための型がありますし、小学1年生から中、高校へと進むつれても型変わりの順序というものがあります。。

能の序破急のように、

型を理解して、子どものカタチに合うように型を崩せば

型がもっと滑らかになるのでしょう。

作る者が演じるからこそ、自分の型になるんですよね。

 

 

オーダーメイドなプロセス、これが求められるのだと思います。

 

算数も国語も楽しんで理解する道は芸術の真髄にも通じているのだと思います。

 

既成概念にとらわれない方法を新たに考える人々がいるから、

私たちの生活は濁らないのかもしれません。

 

でも、そんなことが考えられる人々の生活はいつも土砂降りの雨が降ったり、かんかん照りの太陽だったりするのでしょうね。

 

このTくんもそんな偉人の性質を兼ね揃えた子なのかも知れません。

 

この子の概念がカタチになって表れるものになれば、また新しい時代がやってくるのかも知れませんね。

 

さぁ、

子どもに『出来ないんだね』って言ってしまう前に、子どもがどんなふうに感じているのかな?

 

まずはそこから たずねてみよう。

 

それが この子たちへの『お手伝い』の入り口だとボクは思います。

 

 

そーっと。

 

そーーっと。

 

カタチは崩しても壊さないように。

 

 

 

 

You better think (think) think
About what you’re trying to do to me
Yeah, think (think, think)
Let your mind go, let yourself be free

                Think – Aretha Franklin