君が帰ってから。
今日はsubaco kidsスタッフの藤原先生の支援報告を紹介させて頂きます。
てっぺいくんについて
今週が初利用日でした。初めての環境だったためか、遊びの転動が激しく、次から次に違う遊びをしていました。目から入ってくる情報に引っ張られることが多く、遊びの途中でも、他のものが目に入ると、そちらに行ってしまっていました。慣れてくれば変化するのか、もう少し様子を見ます。そのためか、活動の切り替えはスムーズでした。
『こけへん!』(プログラム名)に参加してもらったのですが、鬼ごっこの形で行うと興奮しすぎてしまったため、他児童と一緒に「電車ごっこ」という設定で、前の人の肩を持って歩き、ロープをまたいだり、くぐったりしてもらいました。そのため、私の位置からはあまり様子が見れなかったので、次回は別のやり方をするか、他のスタッフにも入ってもらい、動画を取りたいです。
プレイルームの中では、ジャングルジムにもクライミングボードにも登っていましたが、下りるのはそこまで怖がったりはしませんが、少し苦手なようでした。ボールプールから自力で出ることができませんでした。そして「できない!!助けて」と少しパニックになりかけました。台に足をかけてもらうと出ることができたので、次に同じ場面になった時、「どうすればいいだろう?」と尋ねると、「台を使えばいい」と答え、「助けて」から「台を押さえておいて」という要求に変化しました。
ブランコに乗ることができないと聞いたので、お母様に尋ねると、揺れるのが怖いのではなく、自分でこぐことができないそうです。動き方にもどことなくぎこちなさがありました(なぜそう感じるのか、どこがどうぎこちないのかを、次回ゆっくり観察しようと思います。)全身運動、体を協調的に使うのが苦手なのかもしれません。保護者様にJSI-Rの記入をお願いしているので、その結果も踏まえて、観察していきます。
以下は藤原先生の報告に対するボクの考察です。
このような遊びが転動してしまう場合にはインフォーマルな遊具で色々な遊び方を教示していくことが大切です。
遊具を増やすというよりも、少ない遊具で遊びのバリエーションを増やすことが大切です。
ですので、先生がきっとこの遊具だったらこの子はこんな遊び方をするだろう、
その遊び方にカゴを用意すればこんな遊び方に発展するだろう。
などと展開をいくつできるかをカウントしてみて下さい。
3つくらいまで上がるといいです。
また、静的活動と動的活動を用意しておく必要があります。
動的活動の中にも、おにごっこのような追走課題だけでなく、だるまさんが転んだや かくれんぼなど静止課題も取り入れた運動をチョイスすることも大切です。
要求を感情で訴えるだけでなく、文章化されたプランで訴える。
大切なことだと思います。
しかしながら、感情で訴えてしまう本人の機能的な背景の読み取りが大切です。
やはり、前述した通りで運動経験から推理が深まらないのだと思います。
バリエーションを持たして運動を組み立てる(シーケンス)能力の低さを表しているのでしょうね。
台を使うのであれば、台を用いればどんな遊びができるかを教示して、本人の経験をためこんでもらうことが必要と思います。
『台であそぼう』なんてプログラムがあっても面白いと思いますよ。
(窓を開けるなんて危険性もはらんでいますが)
ブランコを自分でこぐことができない、
ボールプールのネットを自分の足にひっかけてのぼることができない、
似ていますよね。
自分の足に対してその他の部位の位置関係がどう変化するのか統合できていないのだと思われます。
触覚系と固有受容覚系間の統合が問題でもあると思います。
本人に自分の身体(人の身体)の絵を描いてもらってみてください。
見ながら描いてもらってはいけないので注意して下さい。
本人が認知している身体図式を客観的に知ることができます。
もしかしたら、足(下肢)がすごく短い絵を描いたりするのかもしれませんね。
描いた部位の大きさが認識の強さの証にもなります。
この子だったらどんな絵を描くのかな?と思いながら、描いてもらった絵がズバリその通りの絵であれば、
先生の見立て(評価)は仮説通りですし、そのままの計画で良いプレイセラピーができると思います。
予想外の絵を描いたのであれば、見立てとのギャップがありますので、介入にはさらなる工夫が必要になると思います。
少しの時間でも簡易に評価できる検査がありますので、観察と検査と解釈をうまく組み合わせてプレイしていきましょう。
そうすることで、だからこの子はこんなことをするんだ、と先生が理解ができて、
悩んでいるお母さんと一緒にひらめきながら、子育ての楽しさをキャッチボールできると素晴らしいと思います。
本人さんもその関係に愛情を感じることができれば、尊敬する感情も生まれて愛着が形成されるのでしょうね。
愛着には大人側の子どもに対する共感が大前提ですので、
この子の行動の意図や原因を理解できることが大変重要な支援になります。
何かを与える(してあげる)ことだけでなく、理解するために努力してアセスメントすることも支援の大要素ですので、
今後もビデオを撮ったり、意見したりすることを大切にしていきましょう。
藤原先生の報告はいつも目の前の子どもとの関わりの様子だけでなく、『お母さん』とのやりとりが含まれていて素晴らしいとボクは思っています。
2人3脚から3人4脚ですね。
藤原先生が子どもとご家族にとって幸せで、ためになる道になれれば素敵ですね。
いつもご苦労様です。
また相談ください。
このようなやりとりを日々繰り返してsubacoは進んでおります。
subacoは基本、母子分離の療育ですが、それは子どもの目の前にお父さんお母さんがいない場所で子どもと関わっているだけだあって、
報告・連絡・相談の中で保護者さまと繋がっていることが大切だと考えています。
subacoに来ている子どもたちが帰ってからもボクたち先生は君のことをあれこれ考えているんだよ。
お母さん、お父さんならもっと悩んでいるんだよ。
でも、一番なやんでいるのは君なんだよな。
つらいよな。
次もいっぱい遊ぼうぜ。
勉強しておくれ。
君について。
人について。
君がいるから、みんなが集まれるんだよ。
だから、
楽しみながらも悩んでおくれ。
お母さんやお父さんのように、
そして藤原先生のように。。。
You are the sunshine of my life, yeah.
That’s why I’ll always stay around.
You are the apple of my eye.
Forever you’ll stay in my heart.
You Are the Sunshine of My Life – Stevie Wonder