大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

心する


 

あれ?

 

いま なにをしてたんだろう?

なんのことを話してたんだろう?

 

「しっかりしなさい!」

そう言われて少ししっかりする・・・

 

「思い出して!」

そう言われて思い出す・・・

 

 

一桁の足し算・引き算はできるのに

2桁・3桁の繰り上がりや文章題になるとミスが多い

 

算数という概念は理解しているのに・・・・

 

 

話していても文章が単純で短かったり

えー、あのー、〇〇でさー、〇〇でねー、などが多く

スラスラと話すことがむずかしい

聞くことにも理解している時とそうでない時の差が大きい

 

言葉そのものは理解しているのに・・・・

 

 

脱いだ服を床に置いてしまったまま

遊び始めたら部屋中におもちゃがどんどん増えていく

 

夢中になるとついつい常識の範囲内を超えてしまい

 

「言ったらできる子なんだけどなー」

 

と言われることが多い・・・

 

 

ワーキングメモリーが低い子どもに表れやすい特徴でもあります

 

ADHDと呼ばれることもありますが

それは医学的な診断名であり

その子にとっては診断名がつくことよりも

具体的な周囲の対応、本人の自分自身との対応が見えてくることが大切だと思います

 

 

 

ワーキングメモリーとはなんでしょうか

作業記憶・作動記憶と同じ意味です

考えたり、動いたりするために必要な能力の一つですが

知識や推理とは別の能力とされています

 

短い時間に心の中で情報を保持し,同時に処理する能力と言われたりしますが

そう言われても無意識に使っている能力なので

ワーキングメモリーという能力を意識して理解することは少し難しいように思います

 

 

自分が意識することすら難しいのであれば

それを鍛えることも難しく

鍛えても増えたりはしないこの能力

 

努力しても向上しにくい能力ですので

この力の弱さが原因で起こる失敗を経験しすぎると

次第に自尊感情も損なわれてしまいます

 

 

自分のワーキングメモリーを自分が同時に作業できる容量として考え

この容量をサポートするためにメモを活用したり、時間を区切ったり、視覚的補助物を活用することが

現実的に有効な手立てになると考えられています

 

それでも少し不思議なワーキングメモリー

状況によって変動しやすい特徴があります

 

 

知識量を測る検査は正解を教えない限り

同じ検査を短時間内に何度行ってもあまり変化しません

 

考える速度を測る検査は多くの場合

同じ検査を繰り返し行えば速くなることがあります

 

しかしながら

このワーキングメモリーを測る検査では

繰り返し行っても他の検査に比べるとあまり一貫性がみられません

 

具体的な検査の内容を説明することが規定上できませんが

ワーキングメモリーの検査はやや難しくなると正解しだしたり

揺れていた足が止まり子どもの表情が凛々しくなることがあります

 

しっかりと記録したわけではありませんが

検査者が褒めたり、期待したりすると

(本当はしてはいけない行為ですが)

正答数が増えたり、回答が早くなることがあります

 

 

 

弱くなれば自尊感情が損なわれやすいと考えられているワーキングメモリー

その一方で

自尊感情が高まれば上がるとも考えられるワーキングメモリー

 

この能力の意味やこれを測る目的を私たち援助者は大切にしたいです

 

 

特に6歳・7歳児のワーキングメモリーは

学童期の中でも同一年齢内での差が大きいことが特徴です

 

 

知らないこと・分からないことではないけれど

その子が置かれている状況によって

成功することもあれば

失敗に終わる結果が出やすい年齢です

 

 

そもそもが知らないこと・分からないことではなく

外から注意されることで正しく行動できる結果が多いために

前刺激としての注意が習慣的な指導に結びついてしまうのですね

 

 

その注意を「叱られている」と子どもが感じ取ってしまえば残念です

 

 

 

 

叱られて学ぶことも大切だけれど

 

それは後でもいいじゃない

 

 

発達は加点式だと思います

 

 

 

それでは 

同一年齢内でも特にワーキングメモリーの差が大きくなる6・7歳児と

どう関わればよいのでしょうか

 

「どうするんやった?」

 

「どうしたらいいんやった?」

 

思い出させるようにすることに良い結果はあまり期待できないのかもしれません

 

 

 

思い出すことと

忘れないことは

似ているようで違います

 

 

 

Reminderというアプリケーションがありますが

器具としての意味ではなくて

再びMindする(心する)という活動が大切です

 

英語の課題になってしまいそうですが

Mindという動詞を自分の体で扱えるようになることが大切のように思います

 

走る(Run)という行動ができるように

食べる(Eat)という行動ができるように

心する(Mind)という行動ができるようになること

 

 

考えるのではなく

思い出すのではなく

心する

 

 

 

自分の気持ちに出会い

その出会いを信じて

一歩前に進むこと

 

ワーキングメモリーが弱いとされる子どもにとって

大切な関わりだと思います

 

 

 

 

I met you in the morning

Waiting for the tides of time
But now the tide is turning
I can see that I was blind
It’s so easy for a girl like you to lie
Tell me why
What goes on in your heart?

 

 

       The Beatles – What goes on