目を見て話すこと。
目をみて話すことが苦手な子どもたちがいます。
自閉傾向のある児童に多いです。
でも、不注意型のADHD傾向の児童にも多いように思います。
『目が合わない』というコミュニケーション時の検査項目から発達障がいと基準づける検査もありますが、
それぞれ異なる障がい像で同じ『目が合わない』という特徴をどう捉えるか?
具体的支援にも関わるのでしっかりと整理しておくことが必要と思います。
乳幼児期では、ずっと見つめてはニコニコしていた子が
言葉を獲得した学童期から目線を合わさなくなることが増える。
そんなこと経験ありませんか?
定型発達児でも当然のようにあることと思います。
『ありがとうって言う時はきちんと相手の目を見なさい!』
『謝る時は人の目を見て謝りなさい!』
よく言いますよね。
それでは発達障がいの場合はどうなのか?
視機能の問題もあると思います。
認知(心)の問題もあると思います。
相手の目をみるという効力が理解出来ないなど。(このような場合は頷きも少ないことが付随していることが多いように思います。)
でも、自閉傾向はあまりなく、不注意傾向にある児童が目を合わせないのは何故でしょうか?
目を合わせる余裕がないということも考えられると思います。
その余裕とはなにか?
同時に情報を処理する能力の余裕ではないでしょうか。
相手の話を聞く時に、
視覚的情報(相手の目や目以外の顔)と聴覚的情報(相手の言葉)を同時に入力することが難しい。
自分が話す時に 、
視覚的情報(相手の目や目以外の顔)を入力しながら、聴覚的情報(自分の言葉)を出力することが難しい。
このことは同時処理(DN-CAS)として説明できることかも知れませんね。
それでは、そのような相手の目を見て話を聞いたり、自分が話したりすることが苦手な子どもたちとの関わりにおいて、どのような工夫ができるか、考えてみましょう。
言葉という聴覚情報の入力が終わった後に支援者の目を見てもらうタイミングを知らせて、
間をとり、視覚的情報を収集してもらえる時間を用意するのも大切だと思います。
見ながら聞くのではなくて、聞いたら見る・見たら聞くというように。
また、支援者が言葉(特に修飾語)を少なくして抑揚も抑え、
支援者の顔面で表現することを強めてみても良いと思います。
視覚と聴覚の統合が遅れている子どもたち、情報処理の苦手な子どもたちに対して
『目を合わせて話を聞いて。』と言うまえに、
ボクらがまず見なきゃあきまへん。
何を?
目を。
そして、書物を。
『うん、知ってる。』
She’s in love with me and I feel fine.