大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

積み木が崩れるとき


みんなが楽しいと思ってやっていることが、

ボクにはわからないことがあるんだな。

 

 

その一つがジェンガっていう遊び。

あいつだけはどうも苦手で。。。

 

どうして、きれいに積んだ木をわざと崩して楽しむの?

 

ブロックを抜いてヒヤヒヤするのが楽しいの?

崩れて壊れてガッカリするのが楽しいの?

 

 

そんな気持ちになる遊びがどうにもボクには分からなかった。

 

 

でもね、最近ちょっとわかってきた気がするんだ。

ジェンガっていう遊びの楽しさじゃないよ。

『積み木』のことさ。

 

 

木を積むから積み木っていうんだね。

言葉や行為の意味が分かったんだ。

 

木を積むことが積み木なんだね。

積み木を積むんじゃないんだね。。。

 

 

ボクが手で握っているのは木。

ボクがしていることは積み木。

 

 

ボクと木の違いが分かるように、

ボクと積み木の違いが分かってきた。

 

 

木を投げて飛んでいくのはボクではなくて、木であるように、

崩れてしまうのは積み木であって、ボク自身じゃないんだね。

 

 

そう思うことができるようになると、

なんだか積み木を崩れないように積むことが楽しくなってきた。

だって、高く積めてすごいのは『積み木』じゃなくて、『ボク』だから。

積み木が崩れても、ボクそのものが壊れたりしないし、おわりじゃない。

 

 

悔しい気持ちが またボクに木を握らせる。

次はさっきよりも高く積んでやるぞ!

 

 

途中でまた崩れてしまうかもしれない。

壊れてしまうかもしれない。

でも、大丈夫。

だって、このドキドキ感が『積み木遊び』の正体だって気づいたから。

 

ママやパパが好きなコーヒーの味。

あの苦さがボクにとっては、おいしく思える味じゃないけれど、

苦いことが、人にとって大切なことでもあると思えるようになってきた気がする。

 

 

さぁ、今日も積んでみよう。

 

 

今の高さじゃ喜ばないよ。

喜ぶのはもう少し後でいいんだ。

 

努力している瞬間が好きになったから。

 

 

ボクのswtichをボクの力でオンにするんだ。

 

 

 

 

Can’t you hear that rooster crowing ?
Rabbit running down across the road
Underneath the bridge where the water flows through
So happy just to see you smile
Underneath the sky of blue

New Morning -Bob Dylan