大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

算じる。


subaco study(認知言語クラス)の宮本リーダーの報告です。

 

Jくんの算数文章題についての報告です。

 

「はじめに、ビー玉を 3つ もっていました。お母さんが ビー玉をいくつか くれたので、あわせて 9つに なりました。お母さんが くれた ビー玉は いくつですか。」

 

上記の問題文に対し、本人は「3+6=9」と式を立てていました。

Jくんは求められている「6」は分かっていますが、文章問題で問われている『出来事の構造』が分かっていなさそうです。

この文章題で必要な能力は、
文章を短期記憶すること、
何を求められているか理解するために、推理する能力が必要であると思います。

じゅんくんの回答を見ると、
「a+b=c」という式で
ここで求められる式は、「b=c−a」です。
文章を読んで、a.b.cの関係を理解することが難しいのかとも感じます。
そのように考えると統語の理解に苦手さが、ある可能性も考えられます。

また、文章を数式などに、抽象化していくことが苦手である可能性もあります。そのため、言語的な知覚推理の低下が考えられます。

 

今後の対策として、
文字式を活用していくことを考えています。
文章をa.b.cなどに置き換えてみるようなおしごとを提供したいと思います。

 

例えば、ストーリーキューブでキューブのイラストは提示せず、ストーリーを伝えます。その後、ストーリーに合うキューブを選択するおしごとです。
他には動物カルタを使用して、
動物の名前は言わず絵柄を選択したり、動物の名前と特徴を一つ読み上げて絵柄を選択するなどのおしごとを考えています。

 

宮本

 

 

私たちは相手から言葉を受け取ったとき、その受け取ったものから、それ以上の情報を想像することが求められます。

例えば、

『昨日、とっても驚いたことがあったんだ!』

と相手から伝えられると、聞き手は『どんなことがあったのだろう?』と具体的に何があったのか予想したりします。

有名人にあったのかな?

珍しい虫を見つけたのかな?

テストで満点をとったのかな?

 

などなど、色々と想像してみることが出来たりします。

これは具体的に推理する力です。

 

それとは反対に、

『昨日、有名人にあったんだ!漫才師の○○さんだよ!家族で買い物に行く途中の電車でたまたま出会ったんだ!握手をお願いしたら、してくれたよ!』

と相手から伝えられると、

『驚いたことがあったんだね。』と聞き手は抽象的に要約することができるでしょう。

 

 

私たちはこのように、耳や目から取り入れた情報刺激に対してそれが具体的にどのような内容か?を考えるルートと、パターン的につまりそれはどういうことか?を考えるルートを持っています。

 

上の文章題を抽象的に整理すると『3にいくつか足せば9になった。いくつかって具体的にいくつ?』

という一旦 抽象的な情報にしてから、次に具体的にしていくという作業を行います。

 

 

お母さんがあげたビー玉はどんなビー玉なんだろう?

お母さんはどんな気持ちであげたんだろう?

など、具体的に想像していく課題ではないのですね。

 

まずは抽象的に『3にいくつ足せば9になるんだ』と整理してから、

次に具体的に『どの数か?』を推理していく必要があります。

 

ここで大切になってくる能力は推理ですが、

小学中・高学年になれば知識も重要です。

 

なぜ知識かというと、私たちは3を9にするために必要な数が6であるということを

計算して導くかというと、そうではなく、

3+6=9という式を覚えてしまっているからです。

 

 

Jくんがここで、この文章を読んで『3+6=9』という式を書いたということは、

算数の1の位の数通しの足し算を『文』として覚えてしまっていて、

推理をしたか?

考えたか?

ということを分析するならば、もう少し詳しく評価を行なう必要があると思います。

 

宮本リーダーが立案するように、文章の名詞群それぞれの関係がどのような状態にあるのかを数字以外の他の条件でアプローチすることはとても大切なことだと思います。

 

 

宮本リーダーの報告をうけて、初めて算数の式に出会った頃の記憶がよみがえります。

 

 

3+1=4

 

 

4になったのは 3なのか? それとも 1なのか?

そんなことを疑問に思う頃はなかったでしょうか?

 

合わせる場所ってどこだろう?

引く場所ってどこだろう?

 

3に1を足したら3と1じゃないか!

 

 

「はじめに、ビー玉を 3つ もっていました。お母さんが ビー玉をいくつか くれたので、あわせて 9つに なりました。お母さんが くれた ビー玉は いくつですか。」

この問題を解くために、ビー玉が9つになる直前の過去に戻る操作だってしています。

 

 

算数の問題なのに、J君に対してこの能力を数字を使わずに、トレーニングしようとしている宮本リーダーです。

 

ここに度胸を感じます。

Jくん、次のStudyが楽しみですね。

結果はいかに!?

 

しっかりと見つめていきましょう。

 

 

 

 

Blackbird singing in the dead of night
Take these broken wings and learn to fly
All your life
You were only waiting for this moment to arise

Blackbird – The Beatles