大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

組体操。


本日は原サブリーダー(subaco kids)の報告です。

れん君は秋の幼稚園の運動会で行う「組体操」への参加を目標に練習をはじめました。

お母様が幼稚園の先生にお話してくださって、それぞれの技のイラストと説明をいただいたので、それを見ながらひとつずつ実際に行ってもらいました。

園での練習はすでにはじまっているとのことです。

上肢の筋力の低下や腹筋群や腰背筋群、体幹周辺筋群の筋力低下、バランス機能の低下(手掌と足底でつくる支持基底面の中に重心がおさめられていない)、足部の触圧覚の鈍麻、などが課題として仮説されました。

今回行った位置覚や運動覚の検査より、固有受容覚で肩関節の運動の方向や位置を知覚することに関しては少し難しさがあるようでしたので、鏡や動画などを用いて、本人の運動を視覚的にモニターすることによって違いを認識してもらえるようなアプローチが有効なのではないかと考えています。

また本人が一番苦手としているのがブリッジということで伺っており、実際に行ってもらうと頭部を持ち上げることが難しいようで、四肢と頭部の五点で支えている特徴がみられました。

頭部が床についているものと、浮いているものを比べてみてもらった際に、正しいのはこっち!と頭が持ちあがっているほうを選択できていたので、完成となる運動のイメージは持てているようですが、頭部を持ち上げる時の運動方向について企画・実行が難しいのではないかと思います。

プッシュアップ系のトレーニングや体幹の周辺筋群を活性させるような取り組みも行いながら、検査から問題点の抽出を行っていけるようアプローチしていきたいと思います。

 

 

頭部を床から離床するためには、どの体節のどの方向の運動に対応するのか、そのことに本人は理解できていないのでしょうか?

それとも、理解はできているのですが筋力に問題があるのでしょうか?

それを調べていくうえで、つまずいている原因がより明らかになっていくことと思います。

 

頭部を持ち上げるために必要な運動は頭部ではなく、頸部周囲に力を入れても、逆に力が入ってしんどくなり、結果効率のよい運動ができなくなり、苦手な意識や不快な感情が蓄積されていくかもしれません。

 

まずは運動の基礎を踏まえて、基底面を広げることからステップアップしていくことが大切だと思います。

飛行機においても、両下肢を重ねるのではなく、前方や後方に上側の下肢をスライドして、少し基底面を拡大してアプローチすることも大切だと思います。

 

この目標は組体操の種目でもありながら、姿勢コントロールの基礎能力を高める基礎的なレッスンでもあり、非常に発達段階において大切なアプローチだと思います。

また人に見られる種目でもあり、自己表現として、他者から評価を受けて自信を高めるという心理・内面的な発達にも大変意義のあるアプローチだと思います。

 

本人の自信につながるよう発展できれば素晴らしいですね。

 

運動は身辺自立に必要な手段でもあれば、

運動は自分の心象でもありましょう。

 

 

体を思い通りに動かすことは、便利なだけではないのですね。

 

 

自由に体を動かしたり、自在に体を操ることで、

私たちは命ある存在として、満たされていくのでしょう。

 

たとえ、障がいがあろうとも、なかろうとも。

たとえ、障がいが軽くとも、重くとも。

 

 

 

 

Fly me to the moon
Let me play among the stars
Let me see what spring is like
On jupiter and mars

Fly Me to the Moon – Frank Sinatra