縄跳びができますように。

本日はsubaco kids(感覚統合療法教室)紙谷リーダーの報告です。
りょうくんについて、4月の始めの頃に縄跳びを行った時と今週の縄跳びを比較すると、
実用性としては正確性・安定性・流暢性・社会容認性は少しずつ上がってきたのではないかと考えています。
縄跳び動作の印象も「ドタドタしている」から 少し滑らかさが感じられるようになりました。
以前までは、右下肢・左下肢と交互に縄を越えていましたが、両下肢同時のジャンプが徐々にできるようになってきました。
今週の縄跳びでは3回跳ぶ事に成功しました。
りょうくんの目標が「5回跳ぶこと」なので、もう一息なのかなと思います。
今回の縄跳びの際には、手関節の固有覚の情報が入りやすい様に縄の持ち手部分に乾電池を2本ずつ入れて重くして行いました。
りょうくんにとっては、普通の縄跳びでは軽すぎて縄を回している上肢(手関節)の動きなどが知覚できていないのではないかと考え、今回は重りをいれました。
重りは引き続き使用していきたいと考えています。
次の課題としては、縄を跳ぶ際のジャンプと次の縄を跳ぶ際のジャンプの間に小さいジャンプが入っており、
1回縄を越える為に2回のジャンプの動作が必要になっているので、そのジャンプを1回にまとめていければと考えています。
間のジャンプ(2回目のジャンプ)は上肢の操作のタイムラグを調整している目的や1回目のジャンプの着地の不安定性を調整しているのではないかと推測しています。
また、足部が床からあまり離れていない為、縄に足部が引っかかりやすくなっているのではないかと考えます。
次回はメトロノームを使用して聴覚・視覚情報を取り入れながら縄跳びのレッスンをしていきたいと考えています。
小学校では縄跳びの活動が6年生まで毎年あるので、縄跳びが跳べるようになり集団への参加が増えればと思います。
努力の結果、縄跳びのスキルが向上していきているりょう君です。
『小学校では縄跳びの活動が6年生まで毎年あるので、縄跳びが跳べるようになり集団への参加が増えること』について、
これは社会的不利や参加に対するアプローチだと思います。
この社会的不利・参加に対して、私たちトレーナーはどのようにアプローチするのか、曖昧なことが多いように思います。
これはアプローチというよりも、『願い』として片付いてしまうことが多いのではないかと思います。
本人がただ縄跳びが上達するのではなく、
この運動技能の向上が『学校』という社会の中で先生や同級生との関係をより豊かにすることが療育の意義ではないかと考えます。
学校・クラスメイトの皆さんに『知ってもらうこと』が大切であり、
それならば『知ってもらうこと』は一つの目標であるのかもしれません。
『みんなが本人のことを知ることができた』という状態は一つの達成であるのかもしれません。
それを知らせる行為は紙谷リーダーを筆頭にsubacoのタスクであるかも知れませんが、
本人にとって、自分ができることを自分で説明するという能力を伸ばす事ができれば、
本人の今後の人生において、自分のことを他者が説明する必要性が少なくなるかと思います。
自分のことを自分で周りの人に伝えることは、
自分のことを自分で決めることにつながるように思います。
そうすると、本人は出来る限り自分の力で自分の行動を選択し、意志決定することで、
自分で決めたという責任感を得ながら、自由を獲得するのではないでしょうか。
責任感を抱きながら、自由に生きるということが社会参加の道であると思います。
どのようにして、本人が自分の努力や個性を周りの大人や子どもに伝えるのか?
『伝えやすい・伝わりやすい伝え方』について、考えていきましょう。
紙谷リーダーらしさが出ている報告だと感じました。
りょうくんの目標達成までもう一息。
He’s a real nowhere man
Sitting in his nowhere land
Making all his nowhere plans for nobody
Nowhere Man – The Beatles