大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

過敏かどうか?


自閉症スペクトラムの症状に『感覚』の問題があります。

当事者においてはずっと前から当たり前のことですが、

診断基準のDSM-5に感覚に関する評価項目が含まれるようになり、

『世間が認める個性』として理解されつつあるのでしょうか?

 

今日はこの『感覚』の問題についてのお話。

 

『感覚』に異常があるというと どんなイメージを思い浮かべますか?

『乏しい』と思われる方が多いのではないかと思います。

触っても、触った感じがしなかったり、

とても熱いものを触っても、そんなに熱くないと感じたり。。。

これらは感覚の『消失』や『鈍麻』として表されています。

 

それ以外にも『過敏』という問題があります。

小さな音でもすごく大きく感じたり、

白い蛍光灯の光が落ち着きを感じられない程に感じたり。

 

自閉症スペクトラムとされる児童や成人においては、

もちろん感覚の『消失』や『鈍麻』といった特性はありますが、

生活においては この『過敏』が特に問題になっていることが多いように思います。

 

特に多いのが『聴覚過敏』です。

大きな音に弱くて、集団の場に参加できない。

例えば今が旬の『運動会』。

『よーいドン!』の鉄砲。

『頑張れー!』の応援する声。

そんな大きい音が特に苦手な子が多いです。

 

でも、でも、

児童によりけりですが、いつも同じような音に弱いのかとえば そうでもないことがあります。

音楽室に入ることが苦手な子が、ある時すーっと入れることがあったり、

雑音の多い道路や地下鉄のホームに入りたがらない子が、すんなり入ることがあります。

 

その逆もあります。

いつも入れる部屋なのに、冷蔵庫の音が気になって耳をふさぐ子もいます。

 

なにが原因でしょうか?

 

雑音を不快な刺激(嫌悪刺激)として感じることに関しては、

意識と認知に関連する脳の前頭葉が関係深いとされているようです。

この関係をこの活動記録で説明するとなると苦しいですが、

大きな考え方としては、

①感覚を調整する機能の影響

②感覚している個人の気分の影響

③意味として理解する能力の影響

このよう影響が原因として分類できるのではないかと考えます。

(これはあくまで独学ですので、参考程度にして下さいね)

 

それぞれについて、この活動記録で細かく説明するとなるとこれまた大変ですが、

①は音響学的に説明するとGainやCompresser

②は怯えている時に聞く風の音など

③は救急車のサイレンの音が何を目的と表しているかを理解できるか・・・など

 

例えば前述した冷蔵庫のジリジリという音。

①で考えれば 大きさをとらえて、音の刺激を認知する機能が問題であったり。

②で考えれば 不安が抑えられなくて、余計に不安を感じる音として感じてしまっていたり

③で考えれば 冷蔵庫の構造が分からず、機械が怒ってる!と解釈してしまったり・・・

 

 

話は戻ってこの『過敏』をどう理解するかが 支援者の努めであるとボクらは思います。

 

小さな音をとても大きく感じてしまっていたり、

音そのものがBGMのように感じていた不安をより強めて加工してしまっていたり、

音がなんの音か理解できず、不必要な音として意識から外すこと(聞かなくても問題ない音)が出来なかったり、、、

 

 

支援者にとって平気な音を今この子が聞いた時、

なんでこの子が両手で耳をふさいだのだろう?

なんで顔が歪んだんだろう?

なんでビクッと腕や足が動いたんだろう?

そんな考える習慣を大切にして、

この子にとって住み良い環境を作るための手がかりとして、

受け止めるように理解できれば素敵な支援だと思います。

今夜も勉強会です。

 

 

子どもたちとの関わりの中で 

耳を澄ませば 何が聞こえてきますか?

 

 

 

 

Country Roads, take me home

To the place I belong

West Virginia, mountain momma

Take me home country roads