大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

ESSENCE


先日の日曜から2日間にかけて日本LD学会の大会が開催されました。

昨年は横浜で開催され、チンパンジーの教育からヒトの心について研究されている京都大学の松沢哲郎先生の特別講演にあった『教えない教育』『見習う教育』『言葉で教える教育』という育て方や、

RTI(Response to Intervention/Instruction)についてアメリカでの実践例を講演されたカンザス大学のドナルド・デシュラー教授によるインクルーシブ教育について学んだことが今でも深く印象に残っています。

 

今年も大会に参加させて頂き、たくさん感じ、考えさせて頂いたことがありました。

 

特に感銘を受けたことはDSM-5に携わったクリストファー ギルバーグ医師や知能検査WISCの研究・開発者のドーン フラナガン博士が来日公演をされたことです。

『発達障がい』について、定義や治療・検査・教育を科学的見地から考えるには欠かすことの出来ないこの2人の先生が同時に、しかも大阪に来日されたことは大変、貴重な出来事です。

 

このような先生方を呼ぶことが出来る日本。

日本LD学会、開催者の和歌山大学。

 

凄まじいパワーです。

 

 

発達障がい、神経発達障害に対する『ESSENCE』という概念について、生み出された張本人であるギルバーグの先生の講演がsubacoの足場・地盤をさらに固めて下さったように思います。

『神経発達に関する臨床検査が必要と気づかせてくれる小児期早期の症候群』

これが ESSENCEの直訳です。

ASDもADHDもLDもこれらの症候群であり、これらを診断にするかしないかは、

『気になるか・気にならないか』のレベルに基づくことでもあるというのです。

 

これはすごい診断名であり診断基準・概念だと思いませんか?

 

『なんか普通の子どもの発達と違うな?』という困りや不安そのものがサービスを受けることができる症状として認められるものになるということも表しているのです。

 

 

子どもを育てている保護者にとって、

周りと関係している子どもたち本人にとって、

 

『悩みすぎなんじゃないの?』とか

『気にすることが細かすぎるんじゃないの?』など

そのような対応だけではなくではなく、

 

『検査を受けてみたらどう?』と対応できるレベルでの医学的診断が認められつつあるというのです。

 

 

subacoを訪れる保護者様によく頂く質問に

『医師の診断書がなくても、利用できるのですか?』

 

この答えを今後、ESSENSEが浸透することにより、さらに明らかになるのでしょう。

 

また、ギルバーグ医師はこんなことも話されていました。

 

 

『自閉症それ自体は大きな問題にはならい。ベートーベンやアインシュタインなど、自閉症と呼ばれた偉人たちは人類で多く、またそのような方たちが文明を開拓されてきたんです。問題なのは自閉症プラスです。自閉症がきっかけで何かが併存されることのほうが問題として大きく、多いのです。』

 

 

写真の児童は来年度から幼稚園通園を目指しているkidsのEくんです。

 

自閉症の疑いとされていますが、彼なりにすくすくとした育ちを生活を共にする職員は実感しています。

大切なことは彼が自閉症かどうか ではなくて、

彼は何が難しいのか?

彼は何ができるようになるのか?

評価・アプローチを今日も本人とお母さんと進めていくのです。

 

 

孤独が不幸なわけじゃない。

 

居場所がないことが不幸なんだ。

 

君が周りに必要とされる能力を手に入れたとき、

 

君にも素敵な居場所が見つかるはずだ。

 

それは『いつ』ではなくて、

 

『いつのまにか』であり、

 

『今から』なんだ。

 

 

と思うんだ。

 

 

 

 

All the lonely people
Where do they all come from?
All the lonely people
Where do they all belong?

     The Beatles – Eleanor Rigby