大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

subaco training 光リーダーと利用者 I さんの報告から


 ご自宅とsubaco trainingでの基本動作の自立がご本人やご家族からのニーズとして強くあり、ご自宅の家屋環境としては手すりや昇降機能付きのベッド等修正自立が出来る環境を整えていらっしゃいます。しかし転倒によるリスクを懸念し、ご自宅内の歩行・移乗動作はお母様による近位見守り介助あるいは、身体介助を行っていたそうです。歩行や移乗動作の実用性を高めることでご本人やご家族のQOLも大きく向上すると考え、どのような場所でも修正自立が出来るよう目標を設定しました。 

 アプローチ後のMMTの結果には変化は殆どないものの日々の腹筋背筋トレーニングから体幹の筋を使う習慣がつき、運動単位の動員が変化しているのではないかと考えました。

 また、膝立ち位保持や目標達成時の歩行において、体幹から近位での立ち直り反応が安定し、前方や右側方に倒れそうになる事なく車椅子まで歩行できたのではないかと考えます。

 生活での変化として、現在御家庭では遠位見守りでトイレ動作や更衣時の立ち上がり、保持等が自立出来ているそうです。

(subaco trainingにおける上記のアプローチは安全面への配慮のため近位見守り介助をさせて頂いております。)

 FIM評価法における自立度が向上された事でお母様からは安心感を獲得出来た事だけでなく、家事の時間的余裕が生まれて助かっていると報告を受けています。

 Iさんご本人に至ってはアプローチ当初は腹筋を鍛えてシックスパックにするという事にこだわりが有り、なんのために行うのか、出来て何に繋がると考えているのかという問いに対しては明確な答えが得られていませんでした。

 しかし、提案させていただいた目標に取り組む課程の中でご家族様やヘルパー、subacoのトレーナーの力を借りずに自分で色々な事が自立していく結果に対して喜びを表出する場面が多く出てきています。今後は身体機能も高めつつ社会参加に対しても繋がりが広がっていくよう働きかけていきたいと考えています。

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つまらない仕事なんてない。

そうですか?と思われる方もおられると思いますが、

私はそうだと思います。

 

過去の出来事が積み重なり、未来を期待し、今の意思が生まれる。

そんな意思のもとに出会った仕事ですから、価値がないはずはないでしょう。

 

きっとその仕事は素晴らしいはずです。

 

どんな仕事にも基本と原則があると思います。

それは目立たないもので、そこに憧れてその仕事を選ぶ人は少ないのかもしれません。

 

福祉・医療の仕事にも もちろん基本と原則があります。

それは組織によって違いがあるものかも知れませんが

私は第一にリスク管理だと思います。

 

自分の人生は楽観的にとらえるほうが幸せになれる気もします。

しかし、ハンデを抱える当事者の方々と関わる仕事をする場合、

その方の人生の最悪の事態を想定しながら関わらせて頂くことが原則であり

いつも自分は間違っていないか?と確かめる作業が基本だと私は思います。

(他の仕事も同じであるかもしれませんね)

 

私たちの仕事には動作観察・行動観察という評価の作業があります。

 

当事者さんは私たちに観察されて原因を分析されるわけですが、

苦手とする動作をするにも本人さんにとっては辛さがあります。

その時 観察する側には恐怖を感じる必要があると思います。

 

歩きにくい人の歩行を観察している時に転倒したらばどうするのか

転倒して骨折されたらどうなるのか

その事故がその人の人生を変えることになってしまう

瞬き程度の一瞬で それは起こってしまう

 

『目の前で人が転けても君は観察し続ける人間なんか?』

そこまで怒鳴られなくてもいいじゃないか?と落ち込んでしまうくらい自分が怒鳴られた時のことを思い出します。

 

その時はこの仕事が楽しい仕事だとは思いませんでした。

辛い仕事だと感じましたが、つまらない仕事ではないとも改めて気がつきました。

歩きにくい姿を自分に見せて下さったその方はもっと辛かったのですよね。

何かあった時に助けてはくれないだろう人の前で苦手なことをしたのですから。

 

おおげさではなく、繊細に考える必要があるということです。

 

どうすれば良くなるのか?と考え始めるだけではなくて、

どうなればさらに危なくなるのか?

この人は怪我をしてしまうのか?

この子は潰れてしまうのか?

そう考え人を見るようになると事故は減るように思います。

 

そこに利用者さんは安心感が生まれ、互いに理解しあい、自然に目標が生まれ、進みはじめるのでしょう。

 

危なさを感じることが出来れば、介助に繋がると思います。

介助した内容を振り返り、そこに知識を当てはめて考えてみれば、

行なっている介助が淘汰され、当事者さんは少しづつ良い方向へと歩まれていくのではないでしょうか。

 

受容と共感的態度

自己決定と専門的援助関係

自立と社会参加

 

関わり方を発達レベルに合わせること

主導権を当事者さんに与えること

 

私たちも日々、基本と原則に立ち返りながら働いています。

 

しかし、いつも一番初めにある約束はリスク管理なのだと心に決めています。

 

忘れられないほど当たり前なこと

でも、当たり前なだけに忘れてしまいがちになること

 

つまらない仕事だと感じたことは一度もなく、

自分の意思で選んで良かった仕事だといつも思っています。

 

危ない仕事だと考えているだけに厳しさも辛さもありますが、

目標が達成できた時の喜びはたまりません。

そのために生きていると思えば自分の居場所があるように感じます。

 

表彰式と表彰状

 

たった一日の出来事で、たった一枚の紙ですが

その意味の重みが互いに進む人生の中で増すように頑張りたいです。

 

 本当は腹筋で割れたお腹を手に入れたいIさん、それでも目標は室内歩行やトイレへの移乗動作が修正自立、目標が達成しつつある今でも私たちの前では見守りが必要。

 

一見華やかさも特殊なテクニックも感じさせない素朴なアプローチかもしれませんが、この素朴さをいつまでも大切にしていきたいです。

 

どのような仕事にも基本と原則があり、始まりの入り口があるのでしょう。

 

飽くなき素晴らしい仕事、場所、人生、そして仲間であり続けるために。

 

 

 

悩んでいたら教えて下さい。

 

その前に、悩んでいる事に気づかずごめんなさい。

 

共に悩み、考え、支え合い、育てましょう。

 

 

 

ドカン!と一発

と言わず もう一発。

打ちのめされて あと一発。

 

 

            Fight ippatsu!