大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

Understanding


本日はsubaco studyの宮本トレーナーの報告を紹介させていただきます。

 

たくくん
たくくんは普段より飛行機を製作することが好きで、自由に飛行機を製作する様子を見ると紙とセロテープなどの道具を使用し、自分の理想の飛行機の形に近づけるためにはどうすれば良いかを計画しているなという印象でした。
今回は説明書があり、作り方が制限されている飛行機の製作場面での様子を観察しました。たくくんのアウトドアグライダーの組み立てる行動について問題点の樹形図にそって考えたいと思います。

<能力(行為・動作)の実用性について>
①組み立てるための行動を企画することの安定性が低い
②事物の因果関係を理解することが難しい
③説明書を活用することが難しい
④トレーナーに物事を依頼することが難しい

<印象表記>
①衝動的に組み立てている。思いつきで組み立てている。組み立てる前にじっくり対象物を観察している様子ではない。
②自分がこのような行動をしたから、こうなったという考えをしていないように感じる。なぜこの結果になったのかよく考えていないようにみえる。
③文字を読もうとしていないようにみえる。袋の裏に書かれている文字やイラストが「説明書」であることを理解していないように感じる。
④セロテープを借りる、はさみやアウトドアグライダーはスタディが所有しているものという認識はないように感じられる。自分が必要としているものを伝えるが、どうすれば要求が満たされるのかという方法が理解していないように感じられる。

<観察表記>

①飛行機の袋とはさみを机の上にトレーナーが置くと、5秒も立たずにはさみを持って、袋の上から約5センチの辺りから切り始める。その際に袋の中身を指で確認する様子はない。

飛行機を組み立てるとき、まず手に取った羽から装着していく。プロペラ部分の装着は細かい部品から組み立ててくのではなく、まず本体にプロペラの部品を装着し、取り付けを失敗する。

②はさみの切り口の位置が原因で羽部分が損傷してしまったが、袋から羽を出した際に羽のかけらをみて「あれ?なにこれ」と呟く。

③袋から部品を取り出した後、説明が書かれた袋は床に置く。その後袋を取り出すときは、袋の中に部品が残っていないか確認するために取り出していた。

④損傷した部品を見て「セロテープでくっつけたらいい」とトレーナーに話し、主にどうすれば壊れた部分が直るのかを説明していた。しかし、必要な道具を「貸して欲しい」というような依頼はトレーナが促したあとに伝えていた。

<予測される機能低下>

①プランニング、判断力、知覚推理、継次処理、注意

②推論、知覚推理

③一般的知識、語彙の知識

④一般的知識

 

 

以上がたくくんの行動についての問題点の樹形図なのですが、まず「能力の実用性について」の書き方がこのような書き方でよいのか迷いました。

今回たくくんの行動を観察して、たくくんの話している様子などから一般的知識や語彙を増やすような関わりを普段から意識したほうがよいのではないかと感じました。

また普段の自由に飛行機を作っている様子では、様々な組み立ての方法を考えているように感じるのですが、今回のようなある程度決まりのあるような物に対するプランニングは難しいのかなと感じました。

 

 

たく君(小1)の得意な活動から、本人の実行機能や認知機能の特性について評価しています。

 

これは規則的・強勢的に与えられる課題よりも、子どもにとっても不快感が少なく、優しい関わりです。

 

 

今回たくくんの行動を観察して、たくくんの話している様子などから一般的知識や語彙を増やすような関わりを普段から意識したほうがよいのではないかと感じました。

 

これに対して、私の考えです。

子どものコミュニケーションについて考えるインリアルアプローチに、

『SOUL』という大人の子どもに対するコミュニケーションの心得があります。

4つの心得のアルファベット1つ1つを頭文字にされていいるのですが、

その中の1つのアルファベット『U』は『Understanding』です。

Understandingは『深く理解すること』であり、『観察し、感じたことから子どものコミュニケーションの問題を理解し、何が援助できるのかを考える』と言明されています。

宮本トレーナーはたく君との関わりから観察して感じたことがあったのですね。

一般的知識や語彙を増やすような関わりを普段から意識したほうがよいのではないか

と感じたのですね。

 

『経験』というものは大人にとって、子どもに『与える』というものですが、

子どもにとっては『浴びる』というものに近いと思われます。

 

子どもたちは日々の生活の中で、多種多様なものを浴びています。

それは太陽の光だけでなく、『言葉』もしかりです。

 

子どもたちは日々の生活の中で、知らない物に自分の目で出会うだけでなく、

自分の耳でもたくさん出会います。

 

そんな『知らない言葉』と出会わせるのは誰でしょうか?

 

『知らない言葉の持ち主』は誰でしょうか?

 

子どもたちにとって心地の良い『言葉のシャワー』を浴びせることが大切です。

 

知らない言葉に出会って、その言葉を、その子なりの考えで消化すること。

『こういう意味なんだよ!』と限定した理解を促すのではなくて、

『どんなことだと思う?』『どうやって使おうか?』など、

枠だけでなく、ワクワクを与えることが大切だと思います。

 

さぁ、宮本トレーナーはどんな『ワクワク』をどのようにして、たく君に与えるのでしょうか?

 

浴びせるのでしょうか?

 

 

気持ちよく浴びるためには、適度に乾いていることが大切だよ。

乾くためには、光を浴びていることが大切なんだ。

子どもにとっての光ってなんだろう?

 

愛されること、愛されていると感じることから始めよう。

 

『好き』ということが『愛』ではなくて、

『嫌い』ということが『愛がない』ということでもないんだよ。

 

心を寄せるということ。

関心をもつということ。

 

君が帰っても、君のことばっかり考えているみたい。

 

 

『愛』って見えにくいものなんだぞ。

 

 

気づきにくいんだぞ。

 

 

 

 

Love is living

Living is love

Love is needing to be loved

                     John Lennon-Love