大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

自分が一つ。


2016-02-22 0.34.59

将来の夢はなんですか?
『消防士になりたいな。でも、パン屋さんにもなりたい。飛行機の操縦士もいいかな。。。』
夢がたくさん!
素敵なことです。
でも、多すぎる夢も困りモノ・・・。
自分がなりたいものがたくさんあるべきか?
限られたものだけであるべきか?
できれば一つであった方がいい。
これが発達の考え方でもあるのです。

発達心理学で「自我同一性の獲得」と言われます。
青年期の心理的な発達課題です。
『自我』とは何か?
言い換えると自分自身の意識や観念であり、
自我同一性はアイデンティティとも呼ばれます。
心理学者のエリクソンが提唱した用語です。

なぜ青年期(学童期から20歳前後まで)に自己のアイデンティティが定まる必要があるのか?
それは、青年期の後の人生を幸せに送るためです。
どういうことか?
青年期の次は成人期前期です。
エリクソンはこのステージの課題を『親密』だと説明しています。
青年が社会人になり、自分の手でお金を稼いで生活するためには他の誰かの役に立てるような仕事に就く必要があるでしょう。
その頃は同じ職場で働く上司や同僚、お客さん、そして恋人。
学校を卒業して、新しい生活の関係者に囲まれて生活できているかどうか?
そのためには何が重要か?
『自分が誰かの役に立てるような知識や技術を身につけていること』
つまり、それは『他の人から頼りにされる』ということでもあります。 もし、この頃に自分の夢が選択している職業以外にたくさんあったり、住む場所や自分の性格などが点在していたらどうでしょうか。
周りの人は一体何を信じていいのだろう?
と、不審な気持ちになってしまうかもしれません。
周りの人からの信頼を集めるためにも、
自分の信念を固めることが大切になってくるのですよね。

最近、著名人の騒動が相次ぎます。

異性問題・薬物問題は一般人にとっても深刻な問題です。
それが、著名人なら大々的に報道されます。
どうして著名人は報道のレベルにまで及ぶのでしょうか?
視聴率が高いから?
そもそも著名人だから?
色々、理由があるとは思いますが、
アイデンティティも強く関係しているのではないかと思うのです。

日本一の記録を持っていたり、日本中の多くの人々に支持されるほどの技能を兼ね備えている人に、多くの子ども達が憧れている。
そんな憧れの的であるスターも人一倍に努力をされてきたはず。
強靭に築き上げられた自我だったはず。
でも、それだけではなかったんですね。
『自分の信念ってなんだろう?』
そんな自分自身に対する自分の問いに、
自分自身が常に探したり、築いたりしていくための努力は、
青年期だけではなくて、その後の成人期も老年期もずっと必要なのでしょう。
多くの野球少年に夢を与えたホームラン王。
そんな人格者ですら、自分の人生に迷ってしまうことがあるのですよね。

不法行為は許されないことだと思います。
許してはいけないことだと思います。
でも、
たくさんの人から憧れを抱かれたり、頼りにされるほどの人でも、
自我を見失ってしまったり、役割を果たしきれないことがあるということを、
私たちは明日は我が身と学ぶことも大切だと思うのです。

スバコ に通う子どもたちが自分の人生において打ち込めること、
自分がコレだと感じられること、
一つ一つの小さな目標達成の繰り返しが、
自分を動機付け、自己実現の方角へと導いていくのでしょう。

スターになれるくらいの大きな夢も素晴らしいと思います。
でも、大きな夢が無いとしても、それが問題ではないでしょう。

折り紙で三角を作ることから始めてみてもいい。
自分の名前を書けることからでも大丈夫。
何か一つ出来た時に、その瞬間に満足せずに、次の挑戦へと歩むこと。
達成したから終了するのではなくて、
さらに上を求めていくエネルギーを生み出せることが大切なセラピーだと思います。

くよくよしてしまう時もある。
自分を見失いそうになる時もあるさ。
でも、
いつも、いつも応援しています。

たとえ君に嫌がられても・・・。

I got starlight
I got sweet dreams
I got my man
Who could ask for anything more
Who could ask for anything more?!

I got rhythm -George Gershwin