大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

読んで!


2016-04-12 15.19.36

『あんた!何時だと思ってんの!?』
『いつまで起きてんの!?』
『早く寝なさい!』

そ〜言われてもぉ〜。
ママだって起きてるもんなぁ〜。
パパだってまだ帰ってこないもんなぁ〜。
一人で寝るってのも さびしいんだよ。
お布団の中に入って気がつけば太陽が昇っている。
夜がどこにいったのか、いつも不思議なんだ。
寝ている間に何が起こったんだろう?

そして、今日も寝なきゃいけない時間がやってきた。
いったいボクはどこにいくんだろう?
一人で暗いお部屋に入って、
真っ暗のお布団の中に入って、
何もない見えない静かな時間。
みんながどこかに行ってしまったらどうしよう?
もう会えなくなったらどうしよう?

ガチャ
『ただいまー。』
あ!
パパだ!
パパが帰ってきた!
『寝たのか〜?』
うん!
『お返事するってことは起きているんだね』
『絵本でも持っておいで。』
やったー!
今日もなんとか助かった。
浦島太郎を読んでもらった。
不思議だよ。
浦島太郎って、箱を開けたらおじいさんになったんだ。
そしたらね、 ボクの周りも朝になっていたんだ。

小さな頃にお父さんやお母さんが絵本を読んで寝かしつけてくれたことを覚えていますか?
そんなことを自分が読む側の立場になって思い出させてくれたりします。
親子の関係をつなぐものとはなんでしょう?
愛情や期待、不安、そして怒り、互いの間に色々な気持ちがあるのでしょう。

子どもがすぐに字が読むことができたなら、
絵本だってすぐに一人で読めるのかもしれません。
それなら、一人で寝られるのでしょうか?
もし、その答えが『はい』ならば、
私たち大人は子どもに何を与えれば良いのでしょう。

『言葉を教えてくれないかな?』
『字の読み方を教えてくれないかな?』
そんなふうに悩みを訴える子どもがいないのはどうしてだろう。

教えられて、教わるものではないのでしょう。
教えようとして、教えられるものでもないのでしょう。

なるべく、自然に関係していくことが大切なのだと思っています。
なるべく、自然に。

読んであげること。
聞かせてもらうこと。

一つの布団に包まれて、一つの絵本に目を向ける二人。
文字を通して、
言葉を通して、
気持ちも伝わり、深まっていくのだと思います。

毎日、読んであげていますか?
それならば、
たまには読んでもらってみてはいかがでしょうか?

この子がいつか毎晩、読み手の立場になる前に。

今夜も玉手箱が開きます。
おじいさんになってしまった浦島太郎。
その後はどうなったのだろう?

この子も自分も。

Close your eyes,
Have no fear,
The monsters gone,
He’s on the run and your daddy’s here,

John Lennon – Beautiful boy