大阪市天王寺区・西区の
児童発達支援・生活介護「スバコ」

【2016年1月号】すばこだより「ヒーローは耐え忍ぶ!」他


「あけましておめでとう」「先生ひさしぶり!」子どもたちの元気な声で、スバコの新たな1年はスタートしました♫ これからどんな挑戦が待っているでしょうか?今年も皆様とともにチャレンジし続けるスバコでありたいと思います! これから始まる1年が、皆様にとって笑顔あふれる素晴らしい1年となりますよう、心からお祈り申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。 

subaco switch

「ヒーローは耐え忍ぶ!」

もし、明日地球が滅びるならあなたはどうしますか?
では、もしあなたがスーパーマンだったらその危機的状況をどう感じますか?

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「ボクが一番!」、とKくんは誰よりも早く遊ぼうとします。二番であることを危機に感じているのかもしれません。そんなとき、Kくんには正義の味方である仮面ライダーに変身してもらいます。変身したKくんは大活躍!switchの秩序と平和を守るために順番をジャンケンで決め、自分の番まで待つこともできるのです。この自分以外の誰かだったらどうするか、という他者の視点を使って自制する戦略を「他者視点戦略」と言います。自分の立場では大脳辺縁系という本能を司る部分が働いてしまうので、他者(ヒーロー)の視点で考えることで、改めて物事を認知的に捉え直すのです。仮面ライダーになった Kくんに、次はどんな出来事が待ち受けているのでしょう?トレーナーの力を借りずに 変身できるようトレーニング中です。がんばれK面ライダー!(西原)

subaco study

〜今日も新しいことば、覚えたよ!〜

subaco study に通うAくんは、3歳の男の子です。「ことばでコミュニケーションがとれるようになってほしい」という保護者様の思いがあり、昨年からスバコスタディでことばを増やすためのレッスンを頑張っています。

来所開始当初、Aくんの発する言葉はというと、大好きな「電車」、大好きな「ママ」など数個のモノの名前のみで、他者(スバコスタッフ)への伝達はジェスチャーや表情など非言語で行なっていました。

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Aくんが理解できることばがどの程度あるのかを知るために、絵画語彙発達検査を行ったところ、身近なモノの名前に関しては、 名詞で問われると、いくつかのイラストの中から正しいものを指さしで答えてくれるのですが、「食べ物はどれ?」「飛ぶのは?」 などの聞かれ方では、答えることが難しいという特徴がありました。

ことばを分類する上位概念の理解の未熟さが、語彙の少なさに影響しているのではないかと考え、トレーナーは「ことばの地図を作ろう!」というおしごとを設定しました。「みかん」であれば、「丸い」「むきむき」「たべよう」「おいしいね」など、ジェスチャーなど用いながら付随することばを 一緒に伝えていきます。そして、近いカテゴリーを探して紙の上に絵カードを貼っていきます。

概念の理解を促していくことで、今ではいろんな食べ物や乗り物の名前を言えるようになって きました♩モノの名前だけでなく、感情にも名前があることを知ったAくん、「おいしい!」と いうことばも覚えました(^0^)まだまだあるよ!今日も、いろんなモノや感覚、動作といっぱい出会おう!!!(原)

subaco kids

リボン結びができないのはなぜ?

みなさんはいつリボン結びが出来るようになりましたか?
また、リボン結びが出来なかったときのことを覚えていますか?

キッズに通うYくんは小学2年生の男の子です。保護者の方からは、リボン結びが難しい、と聞きました。

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実際にリボン結びを行ってもらうと、止め結びまではできるのですが、その後リボン結びをするために紐が重なりあったときにどの紐を穴に通せばリボン結びになるのか迷いがあるようでした。また、穴に紐を通しても解けてしまうことも少なくありません。Yくんも首をかしげてしまいます。なぜリボンが解けてしまうのでしょう? 分度器やコンパスを使い作図を行なったり、裏返しになっている服を表に返して畳んだりするなどの活動にも難しさがあります。Yくんは空間における物同士の空間と面、点と線の関係が理解出来ていないのかも知れません。そこで、紐の“線”に色を 塗ってみました。左右の紐の色を変え、視覚から空間における左右の紐の位置関係を補助して行ないます。すると、どうでしょう。リボン結びが出来ました!

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その後、左右同じ色の紐でもリボン結びを行いました。左右同じ色の紐でもリボン結びが出来るようになりました。しかし、空間における線と点の関係を理解し分析していくことは、Yくんのこれからの課題なのかもしれません。(河口 )

《おしらせ》

来月のsubaco holidayも、第2・第4土曜日で開所致します!楽しいプログラムを用意しておりますので、ぜひご利用ください◎
※来年度、4月よりholidayは不定期の開所となります。前月号のおたよりでお知らせ致します。よろしくお願いします。

subaco training

障がい者差別支援法を味方に!

新年明けましておめでとう御座います。本年もsubaco trainingではメンバーが社会参加し、活躍出来るように様々な事にチャレンジしていきたいと思いますので何卒宜しくお願い致します。

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皆様は今年4月1日から施行される「障がい者差別解消法」という法律をご存知でしょうか?この法律は平成25年6月に制定された法律で障がいにより好きなお店で外食が出来なかったりトイレの出来る場所が限られているなど社会参加にハンディキャップを抱えている当事者に対して障がいの有無によって分け隔てられることなく共生していける社会を実現させるために「障がいを理由とした差別の解消を推進する法律」です。

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メンバーのHさんは日頃からお買い物で利用されている近隣のスーパーで、1リットルの牛乳パックを掴むという目標を立てて「把持」動作のトレーニングを開始しましたが、脳性麻痺アテトーゼ型という障がいを抱えるHさんにとって、買い物の難しさはご本人の身体の機能が低下している事だけが原因なのでしょうか?電動車いすに座った状態で品物を把持しやすい位置や距離に目的の商品が陳列されているかなど当事者の目線から買い物の環境を変えていく事が出来れば他の利用客と同じように買い物が出来るようになるかもしれません。

4月から法律は施行されますが、まずは私達から身近な地域生活を変えていけるよう働きかけて、こうした社会の環境を豊かに変化させられるニーズについて、当事者である Hさん達自身が国や行政、公共団体などに伝えて行けるように後押ししていきたいと思っています。(中井)