【2016年5月号】すばこだより「僕が1番お兄ちゃんだからね!」他
新緑の青葉が繁れる季節を迎えました。日中は汗ばむほどの陽気が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。今年のゴールデンウィークは、大変よい気候に恵まれましたね。スバコでもkidsの「スバコまつり」をはじめ、各事業所 祝日限定のプログラムを行い、大変盛り上がりました(^0^)♪ 4月から新生活がはじまって2ヶ月弱、少し疲れが出てくる頃かと思います。しっかり体調を整えて、来月も元気一杯レッスンしていきましょう!
subaco switch
「僕が1番お兄ちゃんだからね!」
switchを利用しているH君はじっと待つことが苦手です。「静かに待っててね」と言われてもついついおしゃべりしたり、お隣のお友達にちょっかいをかけてしまいます。そんなH君ですが、実はswitchの同じ時間帯のお友達のなかでは一番年上のお兄ちゃんなのです。「お兄ちゃんならどんな行動をするかな?」とトレーナーがお兄ちゃんとしての役割を与えると、H君は年下の子に順番を譲ったり、おしゃべりをしている友達を注意したりと、switchのみんなをまとめるために大活躍してくれるのです。

衝動的にお友達にちょっかいをかけてしまうのは大脳辺縁系の働きですが、switchでは意図的に役割を期待することで、役割的性格を形成して、認知的に情動的な行動を自制する「役割戦略」という取り組みを行っています。H君のお兄ちゃん像は、きっとみんなをまとめたり率先して行動する責任感のある素敵な存在なのでしょう!お兄ちゃんとしての役割を果たそうとして、自分の情動的な行動を自制しつつ、「お兄ちゃんとしてこうしなきゃ!」と認知的に物事に取り組めるようになったというわけです。ところがH君、今はまだ時々お兄ちゃんでいることを忘れて、お友達と大はしゃぎしてしまうこともあります。トレーナーから「お兄ちゃん」と声をかけられなくても、お兄ちゃんという自覚ができるように、がんばれHお兄ちゃん!(重松)
subaco study
「のばす音ってむずかしい!」
Nくんは小学生の男の子です。ひらがなの読みに苦手があるため、機関車トーマスの本が大好きなのですが一人で読むことができません。スタディでは、ひらがな50音を読むという目標を立て、そのスモールステップとして、名前に含まれるひらがなを、例えば「は・な・こ」の様に1音ずつ捉えることに取り組んでいます。ほとんどの文字は捉えられているのですが、どうしても難しい文字があります。それは「ろう」です。1文字だと「ろ」、「う」と読めるのですが、音声にすると「ろう」を「ろ」と「う」に分けることが難しいようです。
トレーナーは、Nくんが音韻を捉えることに苦手があるのではないかと考え、構音単語検査、「ろ」「お」「う」などの単音の復唱検査、「ろうそく」「どうろ」などの単語の復唱検査を行いました。すると単音や知っている単語の復唱はできたのですが、ひらがなを不規則に並べた音の復唱は難しいようでした。このことから、Nくんは音韻照合という聞こえた音声を1音素ずつに分解することに苦手があることが分かりました。その中でも子音の後に[ou]という母音の並びがあると分解が難しいことがわかりました。これが難しいと、将来お手紙や作文を書いたときに「う」を書かずに「がんばろう」が「がんばろ」、「おはよう」を「おはよ」と表記してしまうことに繋がります。

そこでスタディでは、まず[ou]という母音の並びを含んだ音節を音素に分解するために、音の聞き分けに取り組みました。トレーナーが「ろろろうろ‥」と発声し、音が変わったところで手を上げるというレッスンです。また、合わせて音素の数を意識する取り組みも行っています。トレーナーが言った単語の音素の数だけ積み木を並べるというゲームで、例えば、「ろうそく」なら4つの積み木を並べます。これは音素の数を視覚的にマッチングさせていくレッスンです。名前のひらがなを捉えられるまであと少しだね、一緒に頑張ろうNくん!(喜多村)
subaco kids
ゆっくり・しっかり感じること
スバコキッズに通うYくんは、かわいらしい笑顔が印象的な4歳の男の子です。最近のYくんは怪獣 ごっこがブームのようで、スバコに来ると「ガオー」と怪獣になりきって登場してくれます。
そんなYくんは、すばこで「階段を足を交互に使って降りる」という目標に取り組んでいます。 Yくんに実際に階段を降りてもらうと「1,2、3,4」と大きな声で掛け声をかけながら元気よく降りてきてくれましたが、足を交互に使って降りることは難しく、一段一段足を揃える姿がありました。
階段を降りる姿をよく見てみると、先に降ろす足がどしんどしんと大きな音を立て、その際身体も大きく横に振れていました。そういった姿から、階段を降りる時に、降ろす方の下肢ではなく、支持している下肢の膝関節を徐々に曲げていくことが難しいのではないかと推測しました。
この仮説から、下肢の固有覚について検査を行なったところ、下肢の関節の動きを感じにくいということが分かりました。固有感覚とは四肢・体幹・頭がどのような位置関係にあるのか、身体の各部分の筋や腱にどれくらい力が入っているのかを感じる感覚です。Y君はこの固有感覚の情報を感じにくいため、膝関節や足関節を徐々に屈曲・底屈させていくことが難しいと考えられます。

そこで、膝関節や足関節の固有感覚の入力を促すため、立位の状態からゆっくりとしゃがむ・しゃがんだ状態からゆっくりと立ち上がるというアプローチを行ないました。トレーナーと一緒に歌遊びの中で花の種に変身し、種から芽が出てだんだんと大きくなって花が咲く(しゃがんだ状態からだんだんと立位になっていく)見立て活動をしたり、トレーナーと向かい合って足相撲をしたりする活動を通して足関節や膝関節の固有感覚の入力を促し、膝関節をゆっくりと曲げ伸ばしすることが出来るようになってきました。最近では、自宅でも自分から足を交互に使って階段を降りることが増えてきたようです。Yくんの目標達成はもう目前です。 (間宮)
《おしらせ》
来月のsubaco holiday も毎週土曜日の開催となります。楽しいプログラム盛りだくさんでお待ちしています!みなさま、ぜひお越しください★
subaco training
「Subaco Training 緑化大作戦!」
subaco trainingでは4月の末頃から観葉植物の栽培を始めました!
「巣箱」のイメージに合う木を基調とした茶色の空間の中に観葉植物の緑色が加わる事でより自然を感じる明るい空間となりました。今回この自然空間を「SubacoGarden」と 名付けてtrainingのメンバーみんなで苗の植え替え作業を行いました。


初回は100円均一ショップで購入出来る雑貨や日用品を組み合わせて植木鉢を作りました。苗を鉢に入れる係、土 土を入れる係など細かく役割を分担して完成させた植木をお手製の棚に並べるとsubacoを利用しに来られた児童や保護者様が立ち止まり、眺めていました。

まずは26杯の観葉植物を枯らさず世話をして命を育む楽しさや尊さを学び ながら簡単に始められる野菜やハーブの栽培、収穫から販売などそれぞれの役割で地域社会への参加に繋げていきたいと思います。(中井)