【2017年1月号】すばこだより「ボクの声の大きさは?」他
「あけまして、おめでとう!」子どもたちの元気な声で、今年もスバコの1年がスタートしました♫
今年はどんなチャレンジが待っているでしょうか?どんなみんなに出会えるかな?スタッフ一同、とてもワクワクしています。これから始まる1年が、皆様にとって笑顔あふれる素晴らしい1年となりますよう、心からお祈り申し上げます。本年も、subacoをどうぞよろしくお願い致します。
switch
「ボクの声の大きさは?~動物変身大作戦~」
6歳の男の子のR君は、お友達に遊びのルールや、コツを教えてくれるswitchの先生役です。
だけど、お友達がルールを間違えたり、失敗したりすると、「違うよ!」と、大きな声を出して、周りをびっくりさせてしまいます。「声が大きいよ」と、トレーナーは声をかけてみるのですが、R君は呼びかけに気がつかずに、お友達に視線を向けたままで、どうやら自分が大きな声を出していることにも気がついていないようです。
身の回りの情報に対して意識を向けることを、認知心理学では「注意」と呼んでおり、私たちは無数の情報の中から、必要に応じて注意を向けることで生活をしています。トレーナーは、R君が大きな声を出していることに気がつかないのは、自分の声の大きさに注意が向けられていのではと考えました。
R君が自分の声の大きさに注意を向けられるように、トレーナーは「動物変身大作戦」というアプローチを考えました。これは、R君に自分の声の大きさを、「アリ」「ネズミ」「うさぎ」「犬」「ライオン」の5種類の動物に例えてもらうレッスンです。トレーナーからの「今の声の大きさは?」という問いかけに「ネズミの声でお話してたんだよ。」という風に、自分の声の大きさを動物に例えようとする事で、注意の焦点を自分の声に向けることがねらいです。これを繰り返す事で、R君はトレーナーに声をかけられなくても、だんだんと自分から声の大きさを動物に例えられるようになりました。そして今では、大声を出していることに気がついて、小さく言いなおすことができるようになったのです。
注意を自分の声へと向けられるようになったことで、R君は自分に対する気付きを深めることができるようになりました。この気づきというのがとても大切で、自分の行動について自覚することが、自分を成長させる一歩へと繋がります。声は小さく、冷静にですが、夢は大きく、情熱的にね!(重松)
subaco training
「模様替え〜構造化による自立度UP!〜」
新年明けましておめでとう御座います。年末に大掃除をして年が開けて心機一転頑張っていこうと考えている方も多いのではないでしょうか。
trainingでは年末に大掃除と模様替えをしました。室内を大きく2つに分けています。玄関から入ってすぐのところを生活スペース、奥側をトレーニングスペースにしました。
視覚的にもわかりやすく少し高さのある台でスペースを区切っています。以前はクッキングしていてもプラットホームベッドが目に入り、ついゴロンと休憩してしまう場面がありました。しかし、クッキング中にベッドが視界に入らないようにしたことで、活動に集中して取り組むことが出来るようになりました。他にもロッカーの横に検温スペース、その横にお茶セルフサービススペースを作る事で、朝通所されてからロッカーに荷物を置き、体温を計り、お茶を入れて席に着くという一連の行動を流れるようにすることが出来ています。Iさんは「自分でロッカーに取りに行ってきます」と席からロッカーが近くなったことでトレーナーに頼ることなく行動されるようになりました。Nさんは喉が渇けば自分でお茶を注ぎに行ってくれるようになり、時にはメンバーのために「お茶飲みますか?」と尋ね、お茶を注いで下さっています。模様替えをして環境が変わったことで「一人でもできる」「自分でやりたい」といった自立への意識が芽生えてきています。今後も「自分の力で出来る」という自信を持つことの出来るtrainingでありたいと思います。
本年もtraining一同、自立と社会参加に向けて頑張って参りますので、どうぞ宜しくお願い致します。(青木)
subaco kids
「チョキで勝つために…」
皆さんはじゃんけんをするとき、指をどう動かすのかを意識したことがありますか?全指を同じように動かすグーとパーは出しやすいのですが、チョキは人さし指と中指だけを伸ばす必要があり、チョキを出すと親指も一緒に伸ばしてしまい鉄砲のような形になる児童がいます。チョキには指を1本1本動かすこと(手指の分離運動)が関係しているのです。手指分離の発達は、まず親指と他の指が向かい合う動き(母指対向)ができるようになります。その後、薬指・小指(尺側2指)と親指・人さし指・中指(橈側3指)が分離して動くようになります。するとスプーンを橈側3指で持つことや、ピストルのようなチョキができるようになります。そこから、少しずつ橈側3指と尺側2指の中でそれぞれを分離して動かせるようになります。それにより、ピースサインができるようになるのです。では、手指の分離運動はどうしたらできるようになるのでしょうか?そこで今回は手指の分離運動を促すためにkidsで行っているレッスンひとつ、ご紹介したいと思います。
Lesson「おはじき貯金箱」
おはじきといえば指で弾いて遊ぶというのが昔ながらですが、kidsではひと工夫したおはじき遊びの活動も行っています。
動物の口の部分におはじきの大きさの穴をあけ、そこにおはじきを入れてもらう活動を行います。家では牛乳パックでも制作できます。手の中からおはじきをひとつずつ入れていくことにより手指の分離運動を促すことや、目と手を協調させた遊びにも最適です。
おはじきをごはんに見立てて…。
「あっ!うさぎさんだ。お腹が空いているのかな?」
「さあ、お食べ!!」
「チャリーン!チャリーン!」

爽快な音がもっと入れたい!という意欲を高めてくれます。上手にごはんを食べさせて、うさぎさんも大喜び!!お家に瓶や牛乳パックなどがあれば、ぜひ一度お試ししてはいかがでしょうか?(松野)
subaco study
「僕の人形劇見せてあげる!!」
2017年、最初のお便りで紹介したいのはT君です。T君は、ポケモンや妖怪ウォッチが大好きな男の子で、キャラクターの絵をとっても上手に書きながらアニメのストーリーについて教えてくれます。しかし、内容を聞いてみると
「ピカチュウがモンスターボールを入ります。」…なんとなく言いたいことは伝わるのですが、アニメをよく知らないトレーナーの的はずれな返答に、「だから、違うって〜!」とイライラしちゃうことも。
さらに詳しく、Tくんの文章構成について調べるために、助詞の穴うめ問題に取り組んでもらいました。「お母さん◻︎お茶◻︎飲みます」では正確に助詞をいれられましたが、「お茶◻︎お母さん◻︎飲みます」に変えてみると「これ、間違ってる!」とTくん。一体どういうことでしょうか。
文章理解には3つの方略があると言われています。1つ目は、意味を手がかりに文を理解します。例えば、「男の子がりんごを食べる」であれば、「男の子」「りんご」「食べる」という語の意味から文を理解することができます。そこから、さらに語順(文頭が動作主になる文を理解する)最後は、助詞(助詞を手がかりに文を理解する)という方略を獲得する事で、複雑な文章を理解することができるようになります。T君は、「お茶」が文頭にきていることに違和感を覚えていましたね。T君は、助詞はではなく「語順」を手がかりとする方略を用いて文章を捉えているようです。
そこでまず、トレーナーは「助詞」の存在に気付いてもらうところからレッスンを始めることにしました。
主語+動詞に「を、が、と、に」の助詞をT君に当てはめてもらい、出来た文章をスタッフが人形を使って再現します。それでは!Tくんの人形劇、はじまりはじまり〜♪(飯田)
★ □には何が入るかな? < ①が ②と ③に ④を > ★
写真を見て考えてみてくださいね♪
「うま □ わたす」

「うま □ わたす」

「うま □ わたす」

お知らせ
来月のsubaco holiday も、第2・第4土曜日で開所致します!
楽しいプログラムを用意しておりますので、ぜひご利用ください◎
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