重力の世界

私たちは1Gという重力のある世界で暮らしています。
例えば歩いているとき…
食事をしているとき…
日常生活で重力を意識することはほとんどありませんよね?
脳性まひや脳の損傷などが原因で、異常な筋緊張と筋力の低下、筋のアンバランスという内在的な身体状況のなかでは、1Gという環境の中で何とか折り合いをつけようと努力しているのです。
その重力を軽減し姿勢制御を含む環境に適応する経験をする治療機器をコンセプトに開発されたのが「スパイダー」です。
身体から外に向かって張られたゴム紐で重力の世界から解放され、動き方や姿勢を試行錯誤することで運動の多様性や、より効率的な運動を選択していく過程を自己学習することができるのです。
初の日本人宇宙飛行士の向井千秋さんは旦那さんとこんな話をしたそうです。
宇宙から地球に帰ってきて、宇宙飛行の素晴らしさを自分から語ることがなかった千秋さんに旦那さんは聞きました。
「いちばん感動したことって何なんだい?」
「それは、もちろん、地球に帰って来た時よ」
「え?」
「地球に帰って来て、地球の重力と再遭遇したときよ。地球には重力があるんだって身体で知ったこと。これに比べたら、宇宙から地球を見た感動なんて小さいわね。地球に帰って来てから身体が感じた重力は予想もしていなかったことなのよ。この地球の重力は自分の身体で感じて初めてわかるものなの。」
無重力の世界を知ったからこそ、本当の重力に出会うことができたのかもしれません。
いつも感じることはないけれど、
いつも戦っている重力の世界から解放され
自分の足で立ってみませんか?
飛んでみませんか?
新たな感覚に出会ってみませんか? (古川)
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